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独立する前
Q1. 独立する前は
どんな仕事をしていたの?
新卒で株式会社サイバーエージェントに入社し、広告営業や広告運用の仕事をしていました。ここではビジネスの基本や、素晴らしいチームワークなど、組織のあり方を学びました。
その後、もともと旅が大好きで、「旅を仕事にしたい」気持ちがあったので、「旅で世界をもっと素敵に」というコンセプトの株式会社TABIPPOへ転職しました。
TABIPPOでは、海外政府観光局や航空会社の依頼を受け、オンライン・オフラインを組み合わせて観光地を魅力的にプロモーションする仕事をしていました。
Q2. 退職の決め手はなんだったの?
世界一周をしながらヴィーガンレストランを巡りたいと思い、2020年3月に会社を退職しました。旅をしながら個人で生きる術を身につけて、フリーランスで活動していく予定でした。
でも、そのタイミングでちょうど新型コロナウイルスが流行。結局世界一周には行けなかったのですが、いずれにしろ独立したかったので会社には戻らず、今後どうやって生きていくかを考えることにしました。
Q3. そのタイミングで
不安はなかったの?
私は自分の直感を1番大切にしていて、直感で選んだ道は、頭でリスクなどを計算した道よりも、むしろ安全だと思っているんです(笑)。
そんな心の声が「そろそろ独立したい」と言うので、迷いなく退職を決断しました。
また、今までの海外旅行の経験から、タイやカンボジアのような国であれば1ヶ月3万円程度で生活できることを知っていて。
月に3万円なら、どうにでも稼ぐことはできるだろうと思っていたので、仕事の目処がたっていなくても、そこまで不安はありませんでした。
独立するために
Q4. フリーランスになるために
着手したことは?
私が退職する前に、親友のはるながフリーランスのWebデザイナーとして独立していたんです。それを見て、「Webデザインを学べばフリーランスとして生きていけるのでは?」と思い、SHElikesという女性のためのオンラインキャリアスクールで、勉強を始めました。
Webデザインに限らず、PC1台で働けるさまざまなクリエイティブスキルを学べるので、1ヶ月間でほぼすべてのコースを受講しましたね。
Q5. 独立後のやりたいことは
どうやって見つけたの?
1ヶ月間がっつり学びましたが、Webデザイナーとしてフリーランスになるのは、なんとなく私の進むべき道ではない気がしました。
ただ、久しぶりに学んだ1ヶ月がとにかく楽しかったんですよね。
小さいころから勉強が大好きだったことを思い出し、「私は学ぶこと自体が好きなんだ」と改めて気付かされました。珍しいと思いますが(笑)。
また、ちょうどそれ以前から「プラントベース」「アニマルライツ」「気候変動」のようなワードが気になって、1人で学んでいたタイミングでもあったんです。
1ヶ月ほど熟考した結果、自分が興味のあるエシカルなことについて、誰もが学びを深められるスクールを作りたい、と考えるようになりました。
Q6. やりたいことが見つかるまで
苦労したこと、その乗り越え方は?
会社をやめたのが3月末で、スクールを作ることを決めたのが5月末。このあいだ、具体的な結論が出るまでは悩んでいました。
そのときは、とにかくまわりの友だちとたくさん話しましたね。友だちが出してくれたいろいろなアイデアは、結論を導く手助けになりました。
私は、もしスクールを作っていなくても、1人でエシカルについて勉強していたと思います。
自分の好きなこと、興味のあることが今すぐにマネタイズできないことだったとしても、正しいと感じるのであれば続けてみることが大切だと思っています。
Q7. 「スクールを作る」と決めたあと
具体的にどのように行動した?
2020年5月末にエシカルな学びを提供するスクールを立ち上げることを決め、翌月から半年間、貯金を切り崩しながら立ち上げの準備をしました。
まず、自分がやりたいことをワイヤーフレームに起こし、Webサイト制作を依頼しました。
それと並行して、スクールの講師になってほしい方をピックアップし、Facebook経由でご連絡させていただきました。
2020年12月までの半年間は無収入で、とにかくスクールの立ち上げに奔走しました。
独立してみて
Q8. スクールについて教えてください!
「AWAKE&」はエシカルで持続可能なライフスタイルが学べるオンラインスクールで、3つの特徴があります。
1つめは、動画視聴で学ぶサブスクリプション形式のスクールということ。「エシカル」「サスティナブル」にまつわるコースが複数あり、それぞれ専門の講師による講義をいつでもどこでも視聴できます。
2つめは、毎月エシカルなギフトが自宅に届くことです。竹でできた歯ブラシや、コットン製の野菜を入れるメッシュバッグなど、さまざまなギフトが届きます。
3つめは、入会特典のプラントベースボックスです。大豆ミートや植物性のお出汁など、食材がたくさん入ったボックスで、スクールの動画を視聴しながら食事を作り、プラントベース料理を楽しめます。オンラインでありながらも、体験型のスクールとなっています。
Q9. スクールを立ち上げた
当初の反響はどうだった?
2021年1月にスクールをローンチして割とすぐ、立ち上げのために投資したお金を回収することができました。
「世の中には私と同じように、エシカルやサスティナブルを学びたい人たちがいるんだ!」と感動しました。自分の心の声に従って本当によかった、と感じています。
Q10. 独立して良かったことは?
独立して何よりも幸せなのは「自分の時間が、自分の手元にあること」です。
犬の散歩をしているとき、特に実感するんです。以前は、朝の通学・通勤前に散歩していたので、犬がまだ遊びたそうにしていても、時間を気にして少し早歩きになったり、公園からささっと引き返してしまったりすることもありました。
それが独立してからは、生まれて初めて平日の昼間に、時間をまったく気にせず、好きなだけ公園でのんびりすることができたんです。
黄金色に輝くイチョウの木の下で、愛犬がのんびり歩き回っている姿を、近所のおじさんと一緒におしゃべりしながら眺めた朝は、本当に幸せを感じましたね。
気になって調べたんですが、1920年には約7割の人が自営業として働いていたそうです。100年後の今、自営業の人はおよそ19%にまで減少しています。
昔はもっと多くの人が自分のペースで生きていたと思うんです。犬の散歩くらい、自分のペースでできるような人生のほうが絶対にいい。
自分の時間は自分のもので、人に管理されるものではないという感覚を大切にしたいなと思います。
Q11. 独立して大変なことは?
マルチタスクに追われることです。
経理に関することはつねに頭に置きつつ、授業動画の制作やSNSでの発信、毎月のギフトなど、スクールのすべてのことを考えるのは正直大変です。
もちろん、デザインや動画制作など、各分野の業務を外注してはいるのですが、ディレクションは自分で行っているので、それなりの工数がかかります。
もう少し事業がレベルアップすればディレクションから任せられると思うのですが、まだまだ今は、AWAKE&の細かなことで頭がいっぱいになってしまいます。
独立した今
Q12. 現在の具体的な
仕事内容は?
スクール運営全般です。動画を撮影したり、授業内容を資料に起こしたり、質問事項をあげたり…と主に講師の方と一緒に授業動画を作ることがメインの仕事です。
また、毎月お届けするマンスリーギフトを選ぶことも定期的にしている大切な業務です。
Q13. 仕事がある1日の
スケジュールはどんな感じ?
日本とフランスは時差があるので、日本に住む方とコミュニケーションを取るために早めに起床しています。
スクールについてのさまざまなことが頭を占めていて、気持ち的にいっぱいいっぱいになることはありますが、日々の業務時間はそこまで長くはありません。
土日休みは設けず、基本的には毎日このリズムで生活しています。その代わり、休息が欲しくなったら何日も何もしない時期もあります。曜日ではなく、自分の心のモチベーションと相談しながら仕事をしています。
Q14. 今後は何をしていきたい?
大きく2つあります。
1つめは、受講者の自己肯定感を上げるスクールにしていくことです。エシカルを学んでいくと、いろいろな暗い事実を目の当たりにするんですよね。それに引きずられて、ネガティブな気持ちになってしまうこともあるんです。
そんな気持ちを抱かせてしまうのはスクールの理想の姿ではなくて、生活の変化を通して、自身のことをもっと好きになってほしいと思っています。そう感じてもらうために、サイトの雰囲気などを含めて改良していきたいです。
自分に優しくしたぶん、自分以外の存在にも優しくできるのでは?と考えています。
もう1つは、「戦略性」を持つことです。私は根本的に職人気質みたいで、これまではただただ、世に認知されるべきだと思うコース内容のことばかりを考えてきました。
でも、今後スクールを成長させていくには戦略性が必要だと感じています。経営者としての基盤をしっかりと持ち、「スクールを経営しています」と胸を張って言えるようにしたいです。
目指す人へのメッセージ
本当に自由なフリーランスになりたいと心から望んでいるのであれば、誰でも100%実現できると思います。もしそうならない場合、「会社員として安定した給料をもらって安心したい」という気持ちの方が強いのかもしれません。
必ず実現すると強く心に決めて、今自分が正しいと思うことを続けていくと、道は開けると思います!
また、私がスクールを立ち上げると決めたとき、「もし仮にお客さんが1人も入らなくてもやりたいか?」と自問しました。
誰よりも私自身がエシカルについて学びたかったので、答えはYESです。
例えばものを作る場合でも、自分が「ほしい!」と思えるプロダクトを作れば、たとえ誰も買わずに商品が売れ残っても、全部自分で使えばいい。それぐらい、愛を込めて事業を作れば、結果的に人にも伝わると思っています。
いかがだったでしょうか?
以上、株式会社Twenty-Two代表取締役のゆりさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?