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ブライダルへの憧れを持ちながらも、事務職、飲食を経験し営業職へ
Q1. 新卒ではどんな会社に就職したの?
ブライダル系専門学校を卒業しましたが、新卒ではまったく畑違いの金融業界の事務員として就職したんです。
ブライダルの世界は、イベント企画から飲食にまつわる業務まで幅広く勉強できました。衣装、お花、着付け、メイクに関しても昔習っていたバレエと親和性を感じ、楽しく学べましたね。
就職活動ではスタートアップ系のブライダル企業を志望していたのですが、ことごとく落ちてしまって。あまりにも落ちるので不採用の理由を聞くと「遊びの経験が豊富な人を採用したいんです」とおっしゃるんですよ。
専門学校では真剣に勉強に取り組む優等生だったので、このとき初めて「よし、遊ぼう」と思いましたね(笑)。
働きながらもアフターファイブはとことん遊べるよう、残業が少なそうな業種を探した結果、金融系の会社に就職しました。
Q2. どんな経緯で
営業職に転職したの?
2年ほど働いたあと退職を決め、趣味のために当時通っていた広島への移住を決意しました。広島では、1年間限定で友人が経営する居酒屋に就職。そこで働きながら次の就職活動をさせてもらい、23歳でリクルートにて契約社員として働き始めることに。
当時、特に職種のこだわりもなかったので経験がある事務職での転職を考えていました。しかし、転職エージェントの方の「あなたを営業として紹介したい」という意向に押されるまま、リクルートで営業職として働くことになったんです。
「いつかはブライダル業界で働こう」という漠然としたビジョンがあり、そのためにプライベートな時間を優先できる仕事を選んでいたので、営業職としての採用は思いもしない展開でしたね。
リクルートでは、あらかじめ契約期間が最長3年半と決まっていたので、転職すると同時に、次はいよいよブライダル業界に挑戦しようと決意しました。
Q3. リクルートでは
どんな仕事をしていたの?
ホットペッパービューティーの営業として美容院などの店舗に直接出向いていました。
お店の方にヒアリングし、客単価を上げたいのか、客数を増やしたいのかなど、そのお店に合った集客方法を考えて広告やクーポンを提案・作成。新規開拓も行なっていました。
成果が数値でわかりやすく現れ、成長を感じられる職場だったので、苦しみながらも楽しく働くことができました。ここでの経験が今の仕事の基礎になっています。
憧れのブライダル業界へ転職するものの、現実との乖離から営業へとんぼ返り
Q4. 憧れのブライダル業界への
挑戦はどうだった?
リクルートでの3年半を無事に終え、晴れて「憧れのブライダル業界へ!」と思いきや、そんなに現実は甘くありませんでした。せっかく入社したブライダル企業でしたが、わずか1年足らずで退職してしまったんです。
私が入社したとき、ちょうど会社が規模を拡張しようとしていたタイミング。創設時からいたスタッフと外部から新しく入ったスタッフとで、派閥ができていました。
そのうえ、風通しがよく、分け隔てなく発言できるリクルートと比べると、入社したての私には裁量がなく、細かいルールが多い会社。息苦しい日々のなかで退職の決め手になったのが、とある日の売上会議での出来事でした。
営業なら、今月の売上目標と今の目標達成状況を全員が把握しているのが当たり前。そのため、売上目標を把握していなかった私は焦って売上の現状を質問したんです。すると、ものすごく怒られて。「アシスタントの立場で売上なんて関係ない」と。
アシスタントでもチームワークで売り上げに繋げる機会はあったはず。店舗全体が何をしたいのかわからず、支離滅裂で全部がばかばかしくなってしまいました。憧れの業界ではありましたが早々に退職しました。
Q5. 憧れの業界をやめた心境は?
もちろん残念ではありましたが、とにかく行動をすることで色々な経験を積み、別の業界でもやってこられたので落ち込みすぎることはありませんでした。
また、ホットペッパービューティーの営業では、学生時代に身につけた着付けや美容の技術が活かせる機会も多かったんです。憧れの業界で活躍こそできなかったものの、人生において学びが無駄になることはないんだと思いましたね。伏線を回収した気分でした。
Q6. その後、
どんな会社に就職したの?
自分の経験を活かせて、給料がアップするところを探していました。
そんなとき、リクルートの営業を請け負う、株式会社デルタマーケティングを見つけたんです。ちょうど大阪支社でホットペッパー部門を立ち上げようとしているタイミングで、「このポジションなら絶対受かる!」と思ってエントリーしました。
転職に不安がなかったわけではないですが、前職との相性が悪すぎたので、これ以上悪い状況になることはないと思っていました(笑)。
Q7. 過去4度の転職を
振り返ってみるとどう?
ここまでのキャリアは、全てにビジョンや計画性があったわけではありません。
ですが、振り返ってみると学びや経験が無駄になったことは何もなく、すべて伏線を回収するかのように今に活きているんですよね。
未来を見据えてきちんと計画を立てられる人もいますが、私は未来のことは予想がつかないタイプ。「過去を振り返って引き出しから引っ張ってくるのが私のスタイルだ」と気づき、未来がわからないなら対応力をつければOKと思えるようになりました。「あのときの経験が今に活きているな」と自信がつきましたね。
会社員からフリーランスへ
Q8. フリーランスという
働き方を考えたきっかけは?
デルタマーケティングでは、10年もの間ホットペッパーの営業に携わりました。
大阪での部署立ち上げに始まり、33歳で名古屋支社に異動。大阪では営業成績は振るわなかったのですが、名古屋で花開きました。リクルート時代で言うと、「スーパー営業マン」と呼ばれていた方々からも引けを取らない、自分でもびっくりするくらいの業績でしたね。たくさん褒められ、社内表彰も受けるなど功績を認めてもらえたんです。
しかし、名古屋での任期はわずか8ヶ月で、東京への辞令が出ました。
しかも、東京に異動した1年後に新型コロナウイルスが世界的に流行。人員が減り、コロナでのイレギュラー対応も重なって、仕事量は3倍以上に増えましたが、給料は据え置きだったんです。
そのとき、「私は誰のために頑張っているんだろう」と思い悩みました。会社都合で短期間での転勤を余儀なくされ、どれだけ頑張っても給料に反映されない。そこで初めて、「サラリーマンってこういうことか」と気づいたんです。
その経験から「フリーランスであれば自分の頑張りが収入にも反映され、働く場所もお客さまも自分で選ぶことができるんじゃないか」と思うようになりました。フリーランスへの道を視野に入れた最初の瞬間でしたね。
Q9. フリーランスに対しての
イメージはどうだった?
とてもかっこいいイメージでしたが、自分で自分の人生に責任を持つ生き方は怖くもあり、ずっと他人事だと思っていました。
33歳でようやく高い営業成績をあげられるようになり、お客さまからも評価していただけるようになって、少しずつ自信がついてきたんです。それでやっと、会社員ではない道を検討してもいいのかなと思うようになりました。
Q10. 自分が得意なスキルに
どうやって気づいたの?
お客さまに教えていただくことが多かったです。
昔担当していたお客さまから、「今の担当者さんに変わってから、打ち合わせが全然進まなくて。ふっちーってどうやってたっけ?」とたびたび連絡がきたんです。後任の後輩たちには基本的なことはきちんと教えているし、仕事ができる子たちばかりなのにどうしてだろうと不思議でした。
そこで気づいたんです。私がお客さまの話を聞いて、短時間で整理・優先順位をつけて言語化していたんだと。名古屋でたった数ヶ月しか担当していない方からもそう言っていただいて、「言語化」が私の得意なことなんだと認識できました。
Q11. 得意なことに気づいたあと、
どう行動したの?
得意を仕事にする方法を考え始めました。
「言語化力」のようなヒューマンスキルを褒めてもらうことが多かったんですが、それだけで食べていくのは難しいと思っていて。何かしらアウトプットの方法を学ぶ必要があると感じていました。自分のスキルを活かしてできる仕事はWebライターかなと漠然と思っていたんです。
積極的に転職活動やスクール探しをしていたわけではありませんでしたが、まずは何かスキルを身につけたいと思っていたタイミングで、広告がきっかけとなり女性向けキャリアスクール『SHElikes』への入会を決めました。
Q12. SHElikesでは
どんな学びを得たの?
「自分がすでに持っているスキルや経験の大きさ」に気づき、1歩踏み出したのが一番の収穫でしたね。
今までは、これまでの営業経験やお客さまとの接点を、これからにどう活かせばいいのかいまいちわかっていなくて。スクール仲間との交流やすでにフリーランスとなったの方からのお話を聞くなかで、「営業ができるって武器になるんだ!」と自分の経験が大きなアドバンテージになることを知ったんです。
また、フリーランスに関する具体的なノウハウを聞くなかで、独立を身近なこととして捉えられるようになりました。
「こんなにいい武器を持っているなら、失敗してもいいからフリーランスにチャレンジしてみよう!」と、まずは自分のスキルを活かしてフリーランスへの道を歩み始めました。
Q13. フリーランスになるのに
不安はあった?
もちろん不安はありました。
でも、今まで数々のことを何とかしてきた人生だったので、今回もどうにかできるだろうという自信もあって。お金に困ったらアルバイトでも何でもすればいいし、「とにかくチャレンジしてみよう」と前向きに考えられました。
28歳のときだったら「大手を振ってフリーランスになったのにアルバイトするなんて恥ずかしい」と感じてしまったと思うんです。でも、38歳までにたくさんの経験をしてきて、自分の凝り固まった思考のなかで考えるのではなく、「まだ若いから何でもやろう」という考え方ができるようになりましたね。
あとは、独立を考え始めてから2年近く時間があったので、上司と相談しながら、仕事に支障が出ない範囲でお客さまに独立後に向けた営業をできていたのも安心材料になりました。
『Sort asSort』で提供したいと考えていた個人向け思考整理のアンケートモニターを募集したり、独立するタイミングをお伝えしながら営業をかけたりしていましたね。
独立した今
Q14. 独立してからは順調?
それが、思い通りにはいかなくて。今まさに、もがいている最中です。
美容系集客コンサルのお客さまのなかで、高単価で発注してくださる方がいたんです。そのお客さまが期待していた仕事内容と、私が提供できる内容の間に認識のズレが生じてしまっていて。期待値のすり合わせが足りずに申し訳ないなと思っていましたが、そのお客さまも「ふっちーが言っていたこと以上のことを勝手に期待してしまっていたよ」と仰ってくださいました。
関係性自体は保たれているのですが、初めに想定していた高単価の仕事ががくんと減り、収入にもダイレクトに響いています。
お客さまとの関係性があってこその営業スタイルだったので、きちんとメニュー表を作るといったステップを怠っていて、そこのシワ寄せがきてしまったと反省しています。フリーランスになって最初の壁にぶちあたりました。
Q15. 個人向け
思考整理サービスは順調?
こちらのお客さまは、まだ顔見知りの範囲にとどまっています。
実際受けてくださった方は価値を感じてくれるんですが、やはり思考の整理にお金を出す習慣がない方がほとんどで。売り出し方を練り直す必要があると思っています。
Q16. 壁にぶちあたったとき、
どう向き合ってる?
営業歴が長いため、ぶっちゃけこれくらいの壁はよくあることで、特に気にしていないです(笑)。なんなら、今は上司がいないので怒られないだけマシというか。
失敗は絶対しますし、やってみて初めてわかることって山ほどあるんですよね。失敗は何も怖くない。ただのサンプルです。次に活かすための材料として考えています。
Q17. フリーランスとして
今後挑戦したいことは?
SHElikes関係者を中心に、「ブランディングをやりたい人」として認知してもらいつつあり、私自身もブランディングを主軸に活躍したいと思っています。
一方で、フリーランスとして働くなかで、無形商材であるマーケティングやブランディング、広告コンサルティングにお客さまはどうしてもお金を出しにくいということを再認識しました。
なので、Webデザインやライティングなどの成果物を作るスキルを持っている方と協力し、私がすでに持っているマーケティングの知識と掛け算して、ブランディングから制作までを請け負うディレクションができるようになりたいなと。
そのために、主軸は「思考整理」「言語化」「ブランディング」であることはぶらさず、ディレクション力を磨き、自分のできることを発信し続けていきたいです。
目指す人へのメッセージ
私の人生は、綿密に計画を立てるタイプではなく、進んでいくなかで今までの経験や知識を伏線として回収していくスタイル。なので、何でも「まずは動いてみよう」から始まっています。
小さなことでいいので、動いてみるのがおすすめ。共通の趣味を持つ人の輪を広げる、スクールでまったく縁のなかった分野を少しかじってみる、採用面接を受けてみる、など小さなことでいいんです。そうすると、小さな失敗や成功があって、次の行動の糸口が見つかります。
いかがだったでしょうか?
以上、ふっちーさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの人生が一歩でも前に進むような、お役に立てる記事になりますように。