「大好きなソフトボールを世界中で続けたい」学生アスリートが“ノマドアスリート”という働き方を切り拓くまで

「大好きなソフトボールを世界中で続けたい」学生アスリートが“ノマドアスリート”という働き方を切り拓くまで

フリーランスになるまでのストーリー

アスリートは、スポンサー契約のみで生計が立てられるのは「ひと握り」。会社員をしながら競技に打ち込む方や、アルバイトをしながら競技を続ける方が大半なのだそう。

そんななか、「ノマドアスリート」という新たな働き方を確立したのは、世界中を駆け回るソフトボール選手・はるはること本庄遥さん。

現在プレーヤーとして前線に立ちながら、ベンチャー企業の執行役員やマーケティング責任者も担う彼女は、どのようにして「自分らしい働き方」へとたどり着いたのか?

自身の強みを生かした独特なキャリアの歩み方に迫ります。

ノマドアスリート

はるはる

はるはるさん

世界を飛び回るノマドアスリート。ソフトボール選手として毎年世界中の国で「外国人助っ人」としてプレーする。その傍ら、時間や場所に捉われず、働きながら自分の好きな競技を続けられる「ノマドアスリート」代表。完全リモートワークで90株式会社の執行役員、SBイノベンチャー株式会社 の新規事業「ワークスルー」マーケティング責任者を務める。その他マーケティング会社にて取材ライターなどを行っている。
このインタビューは
\ 音声でも聴けます/
\ このインタビューは音声でも聴けます/

フリーランスになる前

フリーランス_ノマドアスリート2

Q1. 学生時代は
どんなことをしていたの?

小学2年生から大学生までごく一般的なアスリートとしてのキャリアを歩んできました。

大学4年生で学生選手を引退したタイミングで休学をして、オーストラリアへ約1年半ソフトボール留学をしました。

就職活動を一切せずに留学したこともあり、卒業後のキャリアについて考えていましたが、自分が会社員として働くイメージがまったく湧かず、「このままソフトボール選手として世界中を飛び回れたらいいな」という想いだけがありました。

 

 

Q2. どうやって
フリーランスになったの?

自分のキャリアを模索するなかで、1番はじめに目をつけたのはスポンサー獲得です。オーストラリアでのソフトボール生活をブログやSNSで発信していたことを評価していただき、資金提供をしていただきました。

さらに、とあるスポンサー企業さんが「うちのメディアで記事を書いてみないか」と声をかけてくれたことを機に、フリーランスとしてのキャリアを歩みはじめました。

アスリート支援を中心にされている企業さんだったので、アスリートの方へのインタビュー記事を執筆していました。もともと書くことが好きだった私にとって、アスリートのキャリアと書くことを活かした仕事をもらえたのは幸運だったなと思います。

しかし、アスリート経歴が長く、就職経験やフリーランスとしての経験が乏しかったため、ライターの記事相場や、値段交渉の方法などが、何もわからず、悩むこともありました。

アスリートでありながらもインターネットカフェに泊まりこんで、徹夜でずっと仕事をするような生活が続き、だんだん体調を崩していくことに…。

そんなとき、プロダーツプレーヤーのまよんぬさんとたまたまお話しする機会があり、「あなたが目指しているのはライターじゃなくて、アスリートとしてのキャリアなんじゃないの?」と言われてはっとしたんです。

「私はソフトボールをもっとがんばりたいんだった、ライターになりたいわけではなかったんだ」ということを思い出すきっかけになりました。

そこから単価の低いライターの仕事はどんどん辞め、自分にできる仕事、自分にしかできない仕事はなんだろう、と考えるようになりました。

スポンサー獲得やファンクラブの立ち上げ、クラウドファンディングなど、さまざまな活動をする中で、たくさんの優秀な経営者の方とお話しするようになり「働くのも楽しそうだな」と思えるようになっていきましたね。

フリーランスになるために

フリーランス_ノマドアスリート3

Q3. どのように仕事を
獲得していったの?

仕事をしているなかで、個人で英語のオンラインパーソナルトレーニングを行なっている人が私のスポンサーになってくれました。

当時、彼が教えていた受講生の1人が「これは絶対サービスにしたほうがいい」と背中を押し、2人で起業しようとしていたところでした。

そこに私もぜひ迎え入れたいと誘いを受け、3人で『90 English』を立ち上げることになりました。

さらにその繋がりで、ホテルや飲食店をコワーキングスペースとして使える「ワークスルー」というサービスが立ち上がることになり、自分自身が「ワークスルー」を利用するユーザー目線の発信をすることで、サービスに貢献できるのではないかと声をかけたところ、マーケティング責任者として携わることになったんです。

Q4. 次々と仕事を増やしていった
秘訣を教えて!

今振り返ると私は他の人と比べて、アプローチする数が圧倒的に多いと感じます。

留学から一時帰国したときは、スポンサー獲得をするために異業種交流会に行きまくって「私はオリンピックを目指しているソフトボール選手です。みなさん応援してください!」と熱い思いを伝え続け、1年間で200社以上の経営者と名刺交換をしました。

そんな活動をしていたおかげで、自身のサービスや自分が携わるサービスを世の中にアピールをすることが得意になりました。

断られることはもちろんたくさんありますが、そんなときは「こんなにいい人材がいるのに、断るなんてもったいないな、この人損しているな」と自分のなかで思うようにして、メンタルを保っています(笑)。

よく恋愛にたとえるんですが、「僕はつまらない人間だけど、君のことが好きだから付き合ってよ」と言われた場合と、「絶対に君のことを幸せにするから付き合って!」と言われた場合、絶対後者の方が付き合いたくなりますよね。

自分に自信があることがとても大事だと思っています。「自分を採用しないと損するよ!」と心から思える状態でいるために、日ごろから努力も欠かせません。

フリーランスになってみて

フリーランス_ノマドアスリート4

Q5. フリーランスになってみて
良かったことは?

1番良かったのは、自分の市場価値を客観的に捉えられるようになったこと。私は小さいころからずっとソフトボールをやってきて、アスリートばかりの環境で育ちました。

携帯やパソコンにも触れずに情報が遮断された環境にいると、ある界隈のなかで(私の場合はソフトボール界)努力して芽が出れば、価値のある人間になれる、と思い込むようになりました。

全国大会で優勝をすれば、本田圭佑さんや大谷翔平さんのように有名になり、チヤホヤされる存在になれると全力でがんばっていました。

もちろん、試合に勝つために1つのことに集中することは必要ですが、これから社会で生きていくための自分の市場価値を知るうえでは不利に働いてしまいます。

フリーランスになる前までの視野の狭さは本当にひどくて、まったくまわりが見えていなかったと思います。

さまざまな仕事の経験もさせていただいたことで、一般の会社員やアスリートよりもだいぶ視野が広がってきたと身をもって実感しています。

Q6. フリーランスになってから
大変だったことは?

あまりないですね。夜行バスや、カラオケ、インターネットカフェなど、どこでも寝られるタイプだったので(笑)。友だち達の家で寝泊まりもしていたので、仮に家がなくなったとしても、どこでも生活をしていける自信がありました。

正直、コンビニの100円おにぎりを買うことさえも躊躇するくらいお金がなくなった時期もありましたが、「本当にお金がなくなったら最悪野宿してでも這いつくばればばいい!」くらいの気持ちでやっていましたね。

留学したあたりから、経験にお金を費やしてきたので、いまだに貯金はそこまでありません。コンビニのおにぎりで渋ることがなくなったことを考えると、毎日幸せを感じて生きていられますね。

フリーランスになった今

フリーランス_ノマドアスリート5

Q7. 現在の具体的な
仕事内容は?

シーズン中は、チームのスケジュールに合わせてソフトボール選手としての活動と仕事を同時並行で行っています。

アスリートが競技を続けながら、時間や場所に捉われず働くことを目指すコミュニティ「ノマドアスリート」の代表を務めています。アスリートにライティングのノウハウを教えたり、オンラインスクールをやりたいアスリートに対して集客や発信方法を教えたりしています。

執行役員を務める「90 English」では、生徒さんに対するカウンセリングのほか、PRや広報、コーチと経営メンバーをつなぐパイプ役、経営メンバーの士気をあげるなど縁の下の力持ちとしての役割を担っています。

マーケティング責任者を務める「ワークスルー」では、マーケティング、PR、広報をやっています。とくにコンテンツマーケティング、ファンマーケティングが得意で、ユーザーインタビューを制作するなどしています。

そのほかにも、取材ライターとしてさまざまなメディアで記事を書いたり、クラウドファンディングでプロジェクトをやりたいオーナーさんに対するバックアップをしたりと、多岐に渡る仕事をしています。

シーズンによっていろいろな肩書きで活動しているので、私の名前で調べてもらえると面白いかもしれません(笑)。

Q8. 1週間のスケジュールは
どんな感じ?

book 1日のスケジュール
8:00 起床
9:00 仕事開始
12:00 ランチ
17:00 夕食
22:00 就寝

月・金曜日は作業日に充てていて、朝から夕方までアスリートが書いた記事の編集作業や、自身の執筆時間、マーケティング施策のアイデア出しを行っています。

火・木曜日は各企業の定例ミーティングやアスリートとの1on1を中心に。大体1日あたり5本程度が多いです。火・土はジムに行ってトレーニングをします。現在オフシーズン中ですが、今年もオファーがあればいつどこの国でもソフトボールができるように身体作りもしています。

今はジョージアという東欧の国で生活しているので、日本のお昼ごろに起床をしています。以前は7時ごろの起床でしたが、自分の好きな時間に目覚めたほうがコンディションが整うのでMTG時間もずらしてもらいました。

複数の業務を同時並行でやることが多いです。たとえば、「ワークスルー」のマーケティングについて考えているとき、これは「90 English」や「ノマドアスリート」でも使えそうだと感じたら、頭を切り替えて書き出しをします。

仕事ごとに区切るよりは、1つのことをいろいろな場面で活用できないか考えることで、斬新なアイディアも生まれやすいように思えますね。

オンシーズンの場合は、土日の試合に備えてがあることが多かったので、月曜日と金曜日は完全オフ。火曜日から木曜日は、朝から夕方までは仕事をして、18-20時までは練習をしていました。

Q9. 今後フリーランスとして
何をしていきたい?

アスリートにとっては、まだまだフリーランスという働き方は主流ではなく、会社員をやりながら競技をしているアスリートが大多数です。

仕事をせず、スポンサーのみで競技を続けていけるのは本当にひと握りのアスリートしかいないので、それ以外の方に対して、「ノマドアスリート」という新しい働き方を提案できたらと思っています。

力仕事や事務作業といった仕事をするアスリートが多いなか、アスリート採用をIT企業などでも積極的に取り入れていく流れができたり、会社員にならなくても業務委託として仕事を請け負うアスリートが増えたり、さまざまな選択肢が生まれればいいですね。

アスリートと、アスリートを応援する人をマッチングする役割を担いたいです。

目指す人へのメッセージ

メッセージの画像

フリーランスという働き方は、本当に自由でめちゃくちゃ楽しいです。絶対にみんなフリーランスになったほうがいいのに、と思うくらい、本当に生活が豊かになる選択肢だと思っています。

その一方で責任は自分で持たなければならないし、金銭面でも大変なこともあるんですが、私の場合はまわりの人が優しく助けてくれました。

フリーランスの方は皆さん大変な思いをしてきたぶん、優しい方が多い印象なので、もしフリーランスになりたいのであればぜひ飛び込んで欲しいし、私自身もそれを応援したいと思います。

もちろん、会社員をしながら副業をするというのもひとつの選択肢。フリーランスという概念に捉われずに、自分に合った生き方を目指してほしいなと思います。

フリーランス_ノマドアスリート6

いかがだったでしょうか?
以上、ノマドアスリートのはるはるさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?