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出版社から、想像もしていなかったゲーム業界へ
Q1. 新卒で入社した会社では
どんな仕事をしていたの?
グラフィックデザインの専門学校を卒業した後、新卒で出版社へ入社し、雑誌編集やライティングをしていました。実はその会社が専門学校時代のインターン先で、ご縁がありそのまま就職。
ただ、取り扱っているテーマが自分の趣味と合致せず、だんだんつらくなってしまったんです。
Q2. 転職のきっかけって?
当時ハマっていた1本のゲームがきっかけです。
それまでゲームってそこまでやったことがなかったんです(笑)。だけど唯一ハマったゲームだったので、その会社の広報に応募してみようかなと。広報だったら雑誌や編集部と関わる機会も多く、これまでの知識が活かせると考えたんです。
面接では、全く想定していなかった質問が待ち受けていました。
広報で応募したはずなのに、「ゲームの開発を手伝ってもらうことはできますか?」と(笑)。
その質問をされるまで、ゲームを作ろうと思ったことなんてないし、できるかどうか考えたことすらなくて。全く想像がついていないまま、「まあ、手伝うくらいならできると思います」と咄嗟に答えました。
無事に内定をいただけたのですが、広報ではなく開発部に私の席が(笑)。本当に想定をしていなかったご縁でゲーム開発をやることになりました。
Q3. ゲーム会社では
どんな仕事をやっていたの?
ディレクターとして仕事をしていました。具体的には、シナリオからグラフィック、BGMなどゲーム制作にあたる1つ1つの工程を管理しまとめる仕事です。
出版社からゲーム業界、しかもいきなりゲーム開発からのスタートでしたが意外と楽しく仕事をしていましたね。最終的にはディレクターとなり、制作全般を見ているうちに、「私が得意な領域って何だろう」と考える機会がだんだん増えていきました。
そのなかで自分で手を動かして「できる」感覚があり、なおかつ「楽しいかも」と思えたのが「シナリオライティング」でした。
Q4. なんでシナリオライティングが
いいと思ったの?
ディレクターとして色々なセクションの仕事に触れる中で、「思い描く世界を、”自分の手”で具現化する手段」としては、シナリオライティングが一番自分に適してると思うようになったんです。この業界で仕事を続けていくにはどうすればいいか考えた結果、シナリオライターという専門的な技術を極めていこうと決めました。
ディレクターとして働く間に、グラフィックや音声データを触るなどと自分で手を動かしながら本当に色々やりました。
そのなかで元々文章を書くことは得意で、学生時代にライターをしている講師の方に褒められたり、編集部でライティングしたりした経験も、シナリオライティングが向いていると思った大きな理由の1つですね。
とはいえ、「文章」を書くことと「シナリオ」を書くことはかなり違う、ということも同時に学びましたが(笑)。
ちょうどその頃、ゲーム業界が家庭用ゲーム機でできるゲームからアプリゲームへ切り替わっていった転換期で。将来性を考え、コンシューマーゲームの会社から、アプリゲームを扱う会社に転職し、「シナリオディレクター」として約2年仕事をしました。
「書くことはモノづくりの手段」フリーランスになるまで
Q5. どうして旅メディアの
会社に転職したの?
元々海外旅行がすごく好きなんです。
シナリオディレクターとして2年ほど働いていたのですが、ゲーム業界の忙しさに疲れてしまって。
次はどうしようかと考えたときに、旅に関われる仕事をしてみたいと以前から思っていたことや、これまで経験してきたライティングを活かせる場所として旅行関連のオウンドメディアが自然と思い浮かび、転職を決めました。
旅メディアでは編集や執筆、実際に現地に出向いて撮影もしていました。
でも、「大好きな旅関連の仕事をしているはずなのに、なぜかあんまり面白くない」と徐々にモヤモヤするようになり、私がやりたいことってなんだろうと改めて考えるようになりました。
Q6. 転職してどんな
心境の変化があった?
「私が好きなのは『文章を書くこと』ではなく、『世界観をつくること』『モノづくりすること』なんだ」ということに気づけたんです。『シナリオを書く』”行為”ではなく、『シナリオという手段を通して、誰かが喜んでくれるモノを創る』ことが、1番やりたいことだと。
自分の気持ちに立ち返ると、旅は好きだけどメディアの編集はやりたいことの中心からはズレているかもと思いました。
そんなときたまたま友人から「シナリオライターを探してるんだけど、どう?」と声をかけられて。モノづくりをしたい想いに従い、旅メディア編集とシナリオライターの仕事を両立するためにフリーランスになることを決心しました。
Q7. まずは副業でシナリオライターを
再開しようと思わなかったの?
単純に副業でできる条件ではなかったんです(笑)。
週3〜4日、プロジェクト先に出向してほしいと先方のご意向があって。それを叶えるには副業ではなく独立するしかないなと思ってフリーランスになりました。
独立が目的ではなく、旅メディア編集とシナリオライター両方を叶える手段を考えた時に「フリーランス」がでてきましたね。
旅メディアの編集とシナリオライターの二足のわらじで働くなかで、自分の思い描くモノづくりができるのは、やっぱりシナリオライターだなと気付き、徐々に一本化していきました。
「目の前の仕事に誠実に向き合うこと」フリーランスになってから今まで
Q8. フリーランスになることに
不安はなかったの?
そんなに不安はありませんでした。若かったんでしょうね(笑)。
会社に、雇用形態を正社員から業務委託に変更したいと相談したらあっさり了承してくださって。また、シナリオライターとしての仕事をいただけることも在職中に決まっていたので、仕事を失ってしまう不安は少なかったです。
Q9. フリーランスになってからどう?
意外と順風満帆にきています!
シナリオライターとして単発のプロジェクトからのスタートでしたが、終了のタイミングで他のプロジェクトから声をかけていただくことが続いています。ご縁で仕事が繋がっていて、ありがたいことに今のところ順調ですね。
Q10. 仕事のご縁が
とぎれない秘訣は?
これといった秘訣はわからないのですが、強いて言うと2つあると思っています。
1つめは、「目の前の仕事にきちんと向き合うこと」です。
もともと完璧主義で手を抜けない性格ではあるんですが、自分なりに1つ1つの仕事に真摯に向き合ってきたと思っています。そこを評価していただいたからこそ次に繋がっているのかなって。
2つめは、「自分は今こんなことをやっている」「こんなことをやってみたい」などをまわりに積極的に伝えることです。
言葉にして伝えることで、ふとしたときに「あの人こんなことやりたいって言ってたな」って相手が思い出してくれることもあると思うんです。それが何かのきっかけになるかもしれないですよね。
「手元にあるカードで適性を選ぶ」が人生を面白くする
Q11. どうして香りのデザイナーを
始めようと思ったの?
シナリオライターをするなかで「いつまでシナリオライターを続けられるんだろう」と考えると、今の段階からゲームとは別軸でも収入を得られるようになりたいと思うようになったのがきっかけですね。
というのも、ゲームを楽しむターゲット層の年齢と自分の年齢ってどんどんかけ離れていきますよね。歳を重ねても流行についていけるか、ターゲットの感性に自分が適応できるのかと考えることがあって。
歳を重ねた段階で急にキャリアチェンジを強いられる可能性を考えて、「今のうちからもう1 つ、手に職をつけておこう」という結論に至りました。
元々「香り」という概念が好きなんです。「香りを使った仕事って何があるんだろう」と調べていくなかで”香りを使った空間演出”が自分の中でマッチしているなと思い、勉強を始めました。
Q12. 会社員とフリーランス
どちらも経験してみてどう?
性格的にフリーランスがあっていると感じますね。のびのびと仕事ができるし、ポテンシャルが発揮できるので。自分の得意や好きなことが見つかっている今の状態では、フリーランスの働き方はマッチしているなと思います。
会社員だと自分の得意不得意に関わらず必ずすべき仕事がありますよね。それが得意なことじゃない場合、「他の人がやった方が効率もいいし、クオリティも高いんじゃないか」と考えてしまって。逆もまたしかりですが。
自分の得意分野に集中してパフォーマンスを発揮できるフリーランスが私にはあっていると思います。
Q13. 今後どうなっていきたい?
ゲームのシナリオライターと香りのデザイナーの2軸でいきたいです。
予想外のきっかけでゲーム業界に入ることになったとはいえ、楽しくここまで続けられているし、自分の作品を面白い・見たいと思ってくれる方がいる限りは続けていきたいなと考えています。
シナリオ1つとっても自分に合う合わない作品がどうしてもあります。欲を言えば自分に合わない作品は無理に受けない未来にしていきたいなと思いますね。選り好みをしたいわけではなく、得意な人が書いた方が、絶対いいモノになるはずなので。
私も自分が担当する意味をちゃんと見いだして書きたいんです。
香りの方はまだまだこれからなので、少しずつ仕事を増やして、事業として大きくしていけたらと思っています。
目指す人へのメッセージ
人生には想定外のことってすっごいたくさんあるし、その連続だと思うんです。
目の前の出来事に対して「じゃあこれを選んでみよう!」と自分の手持ちのカードから最適解だと思うものを選択して飛びこんでいくことで、面白い人生になるんじゃないかなと思っています。予想を超えた先でもとにかく楽しむマインドですね。
そのおかげで、私は今の自分が1番好き!どの場面でもそう思って生きています。
あとは、極論なんとかなると思ってます(笑)。
「自分のやりたいことって何だろう?」「なにが向いているんだろう?」と考えて、自分に合うものを選んでいけば、なんとかなるのかなっていい意味で楽観的にとらえています!
いかがだったでしょうか?
以上、ナツミさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの人生が一歩でも前に進むような、お役に立てる記事になりますように。