あえて取捨選択をしない働き方を。コロナを逆手に「スラッシュワーカー」になった旅人

あえて取捨選択をしない働き方を。コロナを逆手に「スラッシュワーカー」になった旅人

フリーランスのストーリー

フリーランスとは一概に言っても、働き方は十人十色。

Webデザイナー、ライター、エンジニアなどの職種のほかに、自らオリジナルの職業を作り出して活躍しているフリーランスもいます。そして、同じ職種だとしても、実はやっている仕事は一人ひとり違うのもまた事実。

今回インタビューしたのは、多くの仕事を同時にする「スラッシュワーカー」のルイスさん。 

英語のスラッシュ(/)で区切るように、複数の仕事を同時並行して働く人を増やしたい、そんな彼の想いや生き方を聞いてみました!

スラッシュワーカー

ルイス

ルイスさん

1人10職で81ヶ国を旅してる、スラッシュワーカーです。1987年大阪府で生まれ。大学時にニューヨーク留学、世界一周を経験。新卒で大阪ガス入社後、オプトを経て、TABIPPOで起業。現在は株式会社スラッシュワーカーズの代表です。旅と仕事の両立を追求した結果、副業や複業を経て、スラッシュワークにたどり着きました。海外ノマド体験プログラム「ノマドニア」や3つの仕事で人生を支えるオンラインチーム「スラッシュワーカーズ」を運営しています。次にやりたいことは宇宙旅行です。
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フリーランスになる前

フリーランス_スラッシュワーカー2

Q1. フリーランスになる前は
どんな仕事をしていたの?

新卒で大阪ガスに入り、Web広告代理店のオプトに転職するなか、並行して世界一周ブロガー3人で「TABIPPO」の立ち上げを行いました。

TABIPPOが株式会社になるタイミングでオプトを退職して、共同創業者としてWebメディア「TABIPPO.NET」の編集長をはじめ、デジタルマーケティングを担当していました。

とはいえ、当時はTABIPPOを創業したものの、もともと自分自身にこれといったスキルはない状態。

オプトにいたころは、「無人島に1人で降り立ったら、あとはなんとかしろ」という、“ベンチャー企業あるある”な風習があったため、必要なスキルを身に着けるチャンスはなくて、ただ目の前の仕事に食いついていく生活でした。

フリーランスになるために

フリーランス_スラッシュワーカー3

Q2. どうしてフリーランスに
なろうと決めたの?

TABIPPOにいたころは旅と仕事が平行して忙しかったので、「旅人に戻ろう」と思っていました。もともと旅が好きで、世界一周やニューヨーク留学をしていたので。

ところが、会社を辞めてから訪れたニュージーランドがコロナで入国禁止に。さらに、出国もできなくなるということで急遽帰国することになり、すごく落ち込みました。

当時はインバウンド業界が盛り上がっていたので、「会社を辞めても旅行の仕事をしていればなんとかなる」という安易な考えがありました。そこに訪れたのがコロナです。

「仮に仕事がすべて吹き飛んでも耐えきれるようにしないと、また辛い思いをする」と思い、フリーランスとして「スラッシュワーカー」になることを決意しました。

Q3. そのタイミングで
不安はなかったの?

日本では「優先順位をつけろ」「取捨選択をしろ」というのが、ぐうの音も出ない正論として扱われます。そのなかで選択も、集中もしない働き方を続けるのは不安でした。

それに当時は、旅行業界が大打撃を受けていたので、別業界での仕事を獲得する必要もありました。

でも、「どうしてもうまくいかなければ、タイやジョージアなどの物価の安い国に移住すれば生きてはいける」と旅人なりの安全策を講じて、挑戦してみようと思い立ちました。

Q4. フリーランスになるために
努力したことは?

会社にいたときに、副業でラジオパーソナリティとコンサルティング、ライターを少しずつやっていたぐらいで、フリーランスになるための準備は特にしていません。

当初はコロナで旅ができなかったので、できることはなんでもやろうと思い、さまざまな職種に手を出していましたが、あまり収入に繋がらず…。

フリーランスは、翌月振込みになることが多いので、「もっと入金が早い仕事をしないと!」と焦りました。

そこで、ゴールデンウイークに2日間のマーケティング講座をして、すぐに収入に繋がるようにしたことが大きな転機となりました。

フリーランスになってみて

フリーランス_スラッシュワーカー4

Q5. フリーランスになってみて
良かったことは?

仕事を断れることです。会社員や起業家だと、提案された仕事は独断では断れない。一方で、フリーランスは「この人なんか苦手だな」と思えば断わってもいいので、人間関係の調整にもなります。

あと、地味ですが平日の昼間から映画に行けたり、免許の更新ができたりすることです。

自由な時間の使い方ができるのがすごくいいですね。

Q6. フリーランスになってから
大変だったことは?

フリーランスは「無茶振り」がないため、普通に過ごしていると成長するのが難しいです。

会社にいると、チームで移動があったり、社長から抜擢があったり、自分が何もしなくてもめまぐるしく環境が変わっていくので、強制的に成長するんですよね。

でも、フリーランスは自分ができそうな仕事だけしたらいいし、後輩も先輩もいなければ、売上の目標も立てる必要がない。

だから、新規事業をスタートして自分で自分にムチを打つような、成長機会を創出しないと厳しいと感じました。

フリーランスになった今

フリーランス_スラッシュワーカー5

Q7. 現在の具体的な
仕事内容は?

1人10職を実現する情報サイト『スラッシュワーカーズ』や、海外ノマド体験ができる『ノマドニア』の運営のほか、コンサルティング、サイトディレクション、マーケティング、ライティング、動画編集、メディア編集など、幅広く仕事をしています。

最近はじめた新しい仕事は『寿司職人』です。普段はデジタルのお仕事ばかりなので、オフラインでリアルにできるのが楽しいです。

Q8. 仕事がある1日の
スケジュールはどんな感じ?

book 1日のスケジュール
8:00 起床・朝食
9:00 コミュニティ運用
9:30 洗濯
10:00 資料作成
11:00 マーケティング仕込み
12:00 昼食・お昼休み
13:00 コンサル
15:00 YouTube収録
16:00 休憩
16:30 定例MTG
17:30 サービス運用
18:00 動画編集
19:00 夕食・休憩
20:00 読書
20:30 資料調整
21:00 講義
22:30 講義の資料送付と動画アップ
23:00 お風呂
24:00 就寝

休みの日は基本作っていません。仕事をゼロからスタートするのが辛いタイプなので、エンジンを完全に切るのではなく、アイドリングにしています。

そのほうが仕事が溜まらないので、気持ちもラクになります。

Q9. 今後フリーランスとして
何をしていきたい?

スラッシュワーカーを1人でも増やしたいです。

僕が「旅」を譲れないように、仕事以外にも大切なことがある人や、収入を分散してリスクを抑えたい人にオススメしたい働き方です。

また、出産や結婚、育児で仕事の時間を調整する必要がある方もスラッシュワーカーに興味を持つことが多いです。

0か100しかない会社での働き方ではなくて、100のうち40だけ残すように、いい意味で今後も仕事を続けられることを広めたいですね。

目指す人へのメッセージ

メッセージの画像

フリーランスは大変なこともあるけれど、楽しいことも多いです。

フリーランスの先輩たちに聞くと、今を生きる僕らはかなり恵まれているらしいです。たとえば、昔は確定申告をするときにアプリはないし、調べてもわからないことだらけだった。

でも、僕らは「フリーランスになれる時代」に生まれた。だから、なりたいと思えばなれるんです。

結果的にどう転ぶかはわかりません。

でも、今の日本は豊かな国なので、挑戦してダメだったらすぐ会社員に戻れる。何事も体験しないとわからないものです。

やりたいと思うなら、ぜひ実行してみてください!

いかがだったでしょうか?
以上、スラッシュワーカーのルイスさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?