「やりたいことがなくなった」燃え尽きた営業職が見つけた、フリーランス経理への道

「やりたいことがなくなった」燃え尽きた営業職が見つけた、フリーランス経理への道

フリーランスのストーリー

「フリーランス」って、目指してなるもの?それともいつのまにか行き着くもの?

フリーランスという働き方が注目されている今、「自分はフリーランスに向いているのかな…」と不安に思う人も多いはず。

今回インタビューしたのは、個人や法人のお客さまを幅広く経理面でサポートする、フリーランス経理のたまちゃんです。最初はフリーランスとして働く選択肢を想像もしていなかったというたまちゃん。

仕事をするにあたって譲れない条件と、やりたい仕事。この2つを叶えるライフワークを手にするためには、どういった努力や過程が必要なんでしょうか?

フリーランス経理を目指すきっかけや、応援してくれる仲間を増やすために意識していることをお話してくれました。

夢応援型フリーランス経理

たまちゃん

たまちゃんさん

「好きな人たちと好きな場所で好きな仕事をする」&「誰かのやりたいことをお金の面から応援したい」がモットーのフリーランス経理。新卒で働いた会社を11ヶ月で退職後、フリーターをしながら旅をスタート。「定住したい」と思えた長野県白馬村への移住をきっかけに経理の道へ。現在は福岡在住で、フルリモートで経理の仕事をしている。

自己紹介をお願いします!

フリーランス経理のお仕事をしている、たまちゃんです!

個人・法人のお客さまの経理業務をサポートしていますが、何をするにもお金って必要ですよね。私はお客さまの夢をサポートして応援する経理でありたいなと思っているので、自分のことを「夢応援型経理」と名乗って活動しています。

出身は岡山県ですが、現在は福岡県に住んでいます。

現在のお仕事を具体的に教えて!

個人・法人に関わらず幅広いお客さまの経理業務をサポートしています。具体的には、請求書の支払いや、会計ソフトを使い毎月の業績を報告する業務が中心です。

経理というと、どうしても「事務作業」の印象が強いと思うんですけど、私の場合は「業績の見える化」にこだわっていて。過去の業績報告だけではなく、このままいくと将来的な損益はこういった数字になりそうといった、未来の業績についてもしっかりお客さまと一緒に確認していきます。

経理とは、何か新しい挑戦や夢を叶えようとしているお客さまの、事業の土台を整えてあげるお仕事だと思っています。

現在はどんな働き方をしているの?

経理の仕事は少し特殊な働き方で、精算業務などで月初・月末がとても忙しいです。代わりに中旬は余裕があるので、お客さまとの打ち合わせを中心に行なっています。1ヶ月の中でも毎週異なる業務を行なうのが経理の仕事ですね。

お仕事はフルリモートを徹底しているのですべての業務、打ち合わせはオンラインで行なっています。好きなときに好きな場所で過ごしたいと思っているので、お客さまとも契約時に事前にすり合わせているポイントです。

毎日10時間くらいはお仕事をしていると思います。でも、日々好きな仕事に向き合っているので正社員時代に比べてまったく苦ではないんです。集中しすぎてあっという間に時間が過ぎてしまいます!

今に至るまでの経歴は?

book たまちゃんの略歴
22歳 新卒で株式会社日本創造教育研究所に営業職で入社。心も身体も燃え尽きてしまい、入社後11ヶ月で退職
23歳 やりたいことがわからなくなり、元々やりたかったリゾートバイトを始める。いろんな人との出会いが楽しくなり、1年間旅をする
24歳 長野県白馬村へ移住。ご縁があり、ホテルにて経理主任を任される
25歳 ホテルが休業し、ホテルを経営している企業の本社にてフルリモートで経理を始める。フリーランス経理の人に出会い、フリーランス経理としての仕事を徐々に開始
26歳 現在はフリーランス経理のみで仕事をしている。法人・個人の経理業務に加え、セミナー登壇もしている

では、たまちゃんさんの今に至るストーリーをたどってみましょう!

このインタビューは
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フリーランスになる前

フリーランス_フリーランス経理2

Q1. 新卒では
どんな仕事をしていたの?

新卒で株式会社日本創造教育研究所に入社し、営業に配属されました。電話営業がメインで、毎日100件ほど電話していましたね。

でも、入社して11ヶ月で退職してしまったんです。つらいなぁと思いながらも100%以上の力を出し切って電話営業に挑んだら、結果的に年末目標を140%達成したんですね。

この結果で、さらに責任のあるエリアや数字目標を持つことになってしまい、次第にプレッシャーに耐えられなくなっていきました。

Q2. 退職の理由は?

目標達成に向けて無理し過ぎてしまっていたこともあり心も身体も燃え尽きてしまって、辞める前の1ヶ月は毎日泣きながら仕事をしていました(笑)。

なかでも退職の決め手になったのは、新卒採用イベントに出席したことです。就活生のみなさんに会社の魅力を話す立場だったんですが、自分の置かれている苦しい状況と、話している内容のちぐはぐさに気づいてしまって…。

そのギャップに気づいてしまったことで心が折れ、翌日から起き上がれなくなってしまいました。天井をただぼーっと見つめながら身体に力が入らない状態でしたね。家族も心配していたので病院へ行き、診断書をもらって休職に入りました。その後、休職を経て退職しました。

Q3. 退職後はどう過ごしたの?

退職後は、やりたいことがすべてなくなってしまい無気力な日々で…。でもしばらくすると、昔からリゾート地に住み込みで働く「リゾートバイト」をやってみたかったことを思い出したんです。

一度チャレンジしてみようと、栃木県にあるスキー場のモスバーガーで働き始めました。

すると、そこで「正社員だけが自分の人生の選択肢ではない」と気づくことができたんです。​​歯科矯正費用の100万を貯めるために働いている人、本業は農業でオフシーズンだけリゾートバイトしている人、雪が好きだからスキー場で働いてている人など、さまざまな生き方に出会えましたね。

当初、リゾートバイトは1ヶ月だけと決めていて、その後はまた正社員として転職活動を頑張ろうと決めていました。でも、リゾートバイトには「好きだからこの仕事をしている」という人がとても多かったんです。そこで初めて「好きなことを仕事にしていいんだ」と気づくことができ、旅をしながら働くことに興味を持ち始めました。

フリーランスになっていく過程

フリーランス_フリーランス経理3

Q4. どうして経理を
することになったの?

白馬村のホテルで経理主任を任せてもらったことがきっかけです。

栃木県でのリゾートバイトの後も、もっといろんな生き方をしている人と出会いたいと思い、約1年間旅を続けました。そのなかでも一番住み心地の良かった長野県白馬村に移住を決めたのが24歳です。

そこでご縁があり、現地のホテルから業務委託で経理を任せていただくことに。ここで初めて経理の楽しさに気づいたんです!

当時、経理の経験は大学時代に簿記1級を取得していたり、実家の会社の経理を手伝ったりといった程度。たまたま家族で泊まったホテルの方に「白馬村に住みたいんです!経理もできます!」とお伝えしたところ、ぜひと依頼してくれました。

実際に経理のお仕事に携わってみると、もともと好きだった簿記の知識を実務に活かせた瞬間に「こんなに経理っておもしろいんだ!」と実感できて。目の前の経営課題を、頭を使いながら自分の知識で改善していくプロセスにやりがいを感じ、すぐに経理主任にも抜擢されました。

Q5. その後、仕事は順調だったの?

1年ほどホテルの経理主任を経験したころに、ホテルが休業に入ってしまったんです。ありがたいことに、東京にある本社でフルリモートで経理の仕事を続けられることになりましたが、これだけでは生活費が足りなかったので並行して別のお仕事も見つけたいなと思っていて。

経理の仕事をずっと続けたい、好きな場所で働きたいという想いだけは決まっていたので、「フルリモートで雇ってください!」と、税理士事務所に20社ほど応募し、落とされまくりました(笑)。

自己紹介動画なども制作して送っていましたが、面接にも進めなかったです。2ヶ月ぐらいずっと仕事がなくて焦っていましたね。

今の収入だけでは暮らしていけないので、また正社員に戻るか、実家の会社を手伝うかといった選択肢も考えながら、オンラインで簿記の講師をしてなんとか生活費を工面していました。

Q6. その状況から
どうやって脱したの?

税理士事務所へ猛アタックしていたころ、偶然フリーランス経理の方と知り合ったんです。たまたま引越し先でゴミ出しの方法を質問した相手がフリーランス経理をされている方で。

この出会いをきっかけに一緒にご飯を食べたり遊んだりする仲になりました。その方のお仕事の話を聞くなかで、どんどんフリーランスという働き方に憧れ、フリーランス経理を目指すことにしました。

フリーランスになってみて

フリーランス_フリーランス経理4

Q7. はじめは仕事をどうやって
獲得していたの?

知り合ったフリーランス経理の方の案件サポートが最初の仕事です。その方は、ちょうどご自身のメイン業務を経理からコーチングに切り替えたいと思っていたそうなんです。

その方の持っていたクライアントを1社だけ任せてもらい、4ヶ月ほど教わりながら一緒にお仕事させていただき、フリーランス経理のキャリアがスタートしました!

とはいえ、その4ヶ月間は修業期間ということもあって単価はとても安かったですね。その1社を1ヶ月1万円で業務を受けていました…!

Q8. 順調に仕事を増やせたの?

最初、新規の顧客は一向に増えませんでした。人に相談してみたりして、自分でもどうやったらフリーランスとして経理の仕事を見つけることができるのかたくさん考えましたが、長野の田舎にいたこともあってうまくいきませんでした。

このころ、2ヶ月間ほど、知り合った個人事業主の方と合同で「フリーランス向けの経理講座」のようなセミナーを開き、みずからいろんな場所へチラシを配って活動していました。でも、うまく集客もできず、仕事にも繋がらず、心が疲れ果ててしまいました。

Q9. どうやって仕事は
増えていったの?

とにかく足を動かし続けたことですね。

フリーランス経理として1年が経ったころに「いよいよ新しい仕事を獲得しないとやばい!」と思い、人との出会いをつくろうと動き始めました。

税理士事務所が主催しているイベントに参加して人脈をつくったり、インスタで追っていた方のオフ会に参加してみたり、会う人会う人に「私はこういう経理でありたくて、こういった会社さん知りませんか?」と伝えてみたり…。

すると、人から人へ紹介の輪が繋がって、仕事として実ることも増えてきたんです。今では、私の挑戦を応援してくれるお客さまがたくさんいます!

Q10. 人から応援してもらうために
具体的になにをしたの?

「まず先に、私が応援する!」ですね(笑)。

言われた業務だけではなくて、積極的に経営の改善点を提案したり、業務の効率化が図れるように資料を整理したりしました。先に結果を出すことで、信頼してもらえる環境づくりを心掛けています。

今とこれから

フリーランス_フリーランス経理5

Q11. フリーランスになってみて
よかったことは?

正社員時代に比べて、めちゃめちゃ気持ちがラクで楽しいです。

「好きな人たちと好きな場所で生きていく」をモットーにしているのですが、好きで選んだ仕事をして、好きな場所で暮らして、毎日が「好き」であふれています。

Q12. フリーランスになってから
大変だったことは?

以前から、結婚して子どもを生みたいと思っていたんですが、妊娠・出産といった今後の生活と仕事との両立は不安が大きいです。

ライフステージが変わるごとに自分の働き方がどう変化していくんだろうという不安はいつもあります。日々、業務に追われているので仕事と生活のバランスをとるのは大変ですね。

Q13. 今後どんなことを
していきたい?

これまでと同様に、目の前のお客さまを大切にしていきたいです。

新たに挑戦していきたいことは、セミナーや講座で経理の面白さや、業務の効率化について伝えていくこと。1対1ではなく、1対大勢へ経理について発信できるようになることが目標です。

理想は、私の仕事を公開していきながらフリーランス経理の道についても広く発信していくことです。次は私自身が、フリーランス経理を目指す人の応援をしたいです。

目指す人へのメッセージ

メッセージの画像

「直感で生きてみよう」ですね。

私自身、これまでの人生を振り返ると直感で行動したことばかりが成功しているんです。

どうなるかわからない不安があっても、やってみたいと思えることに挑戦してほしい。

リゾートバイトを経験したからこそ実感しているのは、仕事は何だってあるということ。だからこそ、私は「日本にいる限り失敗してもきっと死ぬことはないはず!」と信じているんです(笑)。

「失敗したら失敗したときに考える」という考え方を大切にしています。

いかがだったでしょうか?

以上、たまちゃんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの人生が一歩でも前に進むような、お役に立てる記事になりますように。

ちょっと木陰で立ち話

犬田メメ
本記事ライター
犬田メメ

たまちゃんのお話を伺って一番印象に残ったのは「縁」。
ご縁があって、ホテルで経理主任になり、フリーランス経理の師匠に出会い…。

うっかり「引き寄せパワー!?」と思ってしまいそうになるけれど、実は「とにかく人に会って、やりたいことを伝えた」、「先に私が応援する」という種まきと努力あってのことだと知ることができました。

私は、何かを始めたい!と思ったとき、ついつい殻に閉じこもり1人で黙々と準備してしまうタイプ。宣言して、協力を得ながら縁を繋いでいくたまちゃんの姿に多くの刺激をもらいました!

ちなみに、きみはどう思う?なにか気づいたことあった?

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    犬田メメ
    本記事ライター
    犬田メメ
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