きっかけは自己啓発本。ミーハーな僕がフリーランスとして活躍できたのは営業スキルではなく“give”の精神

きっかけは自己啓発本。ミーハーな僕がフリーランスとして活躍できたのは営業スキルではなく“give”の精神

フリーランスのストーリー

フリーランスになりたい…と心を突き動かすきっかけは、プライベートとの両立や会社員への不満だけではありません。思いもよらないきっかけから独立を考えることもあるでしょう。

今回お話を聞いた“旅するフリーランス”のずっきーさんは、「ミーハーでお恥ずかしいのですが、自己啓発本を読んでフリーランスになろうと思ったんです」と話します。

そんな彼は独立してから現在まで、営業ゼロで仕事を獲得。複数の仕事を同時にこなし幅広く活躍する彼が、会社員時代から無意識に行なってきたのは人に「give(ギブ)すること」でした。

旅するフリーランス

ずっきー

ずっきーさん

新卒で製薬会社に入社し営業を4年経験。その後IT企業に転職し、営業とSNSマーケティングに従事。新卒5年目のタイミングでSNSコンサルティング・マーケティングを中心に独立してフリーランスに。
フリーランス初期はSNSの案件をこなしながら、自己研鑽のためスクールにも通う。
現在は女性起業家の秘書や、フリーランス育成スクールで教育事業、個人ではSNSのコンサルティング・マーケティング・運用代行など幅広く活動中。

自己紹介をお願いします!

はじめまして、旅するフリーランスのずっきーです。現在は「アドレスホッパー」という住所を持たないライフスタイルで活動しています。

主に「女性起業家の秘書」「フリーランス育成スクールの教育事業」「SNSのコンサル・マーケティング」の3つの仕事をしています。

現在の仕事を具体的に教えて!

社長秘書の仕事は秘書業務だけでなく、事業全般をサポートしています。具体的なサポート内容は、元医師の社長が運営するInstagramのスクール事業やオンラインサロン、セミナー、講演会、テレビ、出版などとにかく幅広いです。

フリーランスの育成スクールでは、受講生につくコーチの指導役をしています。教育者のレベルを上げるためのサポートや採用、スキルチェックの担当ですね。

また、カリキュラム作成も行なっています。受講生のカリキュラムを日々ブラッシュアップし、よりレベルの高いものを提供できるよう試行錯誤しています。

SNS関連の仕事は、企業や個人事業主の方のInstagram運用代行がメインです。最近は一緒に働いている仲間に運用を任せて、僕はクライアントと戦略を練るポジションでコンサルティングやマーケティング、ディレクションをしています。

単発でインフルエンサーマーケティングの仕事をいただいて、TikTokやYouTubeなどでディレクション・運用をすることもありますね。

現在の生き方・働き方の
満足度はどれくらい?

そうですね…70点くらいだと思います。

今はまだまだ「自由です」とは言えなくて、1日20時間くらい働いていることが多いです。皆さんは参考にしないでほしい働き方ですが(笑)。

僕のなかで20代は、いろんなことを経験して自分のキャパを広げるフェーズだと思っていて。20代でたくさん行動して、30代で自分の事業の種植えをし始める。そして40代になったら今まで育ててきた事業の成果を少しずつ回収していく。

だから今は前向きな気持ちで仕事をしているので、飲み会や遊びに行っても帰宅後に仕事ができるほどのエネルギーがあります。

とはいえ健康面を考えるとまだまだ改善の余地はありますし、時間の使い方や仕事量を調節していかなければサステナブルではありません。「何を手放したら継続的に仕事をしていけるか」と今も考え続けているので、満足度は70点ですね。

今に至るまでの経歴は?

book ずっきーさんの略歴
22歳 新卒で内資系製薬会社に入社、MRと言われる営業を担当。
24歳 会社のある製品の営業成績で、全国3位を獲得。
25歳 Instagramのスクールに通い集客方法やセルフブランディングなどを学ぶ。
26歳 内資系製薬会社退社。ITベンチャー企業に入社。
26歳 ITベンチャー企業を4ヶ月で退社。フリーランスになる。
27歳 社長秘書。教育事業。イベント企画運営。SNSマーケティング・コンサルティング・運用代行を行なっている。
28歳 仕事内容は変わらず、今は法人化に向けて準備中。

では、ずっきーさんの今に至るストーリーをたどってみましょう!

このインタビューは
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「いつかなくなってしまう」危機感を感じた新卒の仕事

フリーランス_旅するフリーランス2

Q1. 新卒では
どんな仕事をしていたの?

製薬会社で約4年間、MRと呼ばれる営業職をしていました。内容は病院の医師に薬の情報を提供する仕事です。

入社2年目では、ある製品の営業成績で全国3位を獲得し大きな成果を得られた経験もあります。

MRは僕にとって活躍できる仕事。でもいつかはMRを辞めないといけない日が来ることを入社2年目の時点で悟っていました。

Q2. 活躍していた仕事を
辞めようと思ったのはなぜ?

MRはAIに取って代わられる仕事だと業界内で取り沙汰されていたんです。

自分が30代40代になったとき、上司に肩をポンポンと叩かれて「明日から会社に来なくていいよ」と言われるかもしれない。そんな未来が容易に想像できて。

何かスキルを身につけて製薬会社を抜け出さなきゃいけない、2年目あたりからそう思い始めました。

「好き」で通い始めたInstagramのスクール

フリーランス_旅するフリーランス3

Q3. なにかスキルを
身につけようと思ったの?

スキルを身につけようと思って始めたわけではありませんが、会社員時代にInstagramの運用スキルを身につけることができました。

もともと大学のころからInstagramが大好きで、Instagramの本を読み漁ったりYouTubeで学んだりしてトライアンドエラーを繰り返しながら運用していました。

そんななか、友人がPR案件で時計を無料でもらった話を聞いて「自分も無料で時計をもらってみたい」と憧れて…(笑)。社会人3年目にInstagramのスクールをたまたま見つけて「もっとInstagramのこと知りたい!」「おれもインフルエンサーになりたい!」と思い通い始めました。

スクールでは約半年間、Instagramの集客やPR案件獲得の方法、フォロワーを増やすためのノウハウ、セルフブランディングなどを網羅的に学んでいましたね。

Q4. スキルを身につけてから
仕事にしなかったの?

製薬会社で働いているころから「Instagramの運用方法を教えてほしい」とお願いされることはたびたびありましたが、仕事にはしていませんでした。

当時はお金をもらおうなんて考えてもいなかったし、会社も副業禁止だったので。

独立のきっかけをくれたのは「自己啓発本」

フリーランス_旅するフリーランス4

Q5. 退職するきっかけは何だったの?

入社してから早い段階で「MRの仕事は将来AIに奪われる可能性がある」と言われていたことも辞めるきっかけでしたが、もうひとつあります。

超ミーハーでお恥ずかしいのですが(笑)、自己啓発本の内容に感化されたんです。本屋さんでふと手に取った、起業家の書いた自己啓発本が本当に興味深くて。

「独立して幸せに生きている人がこんなにいるんだ」と驚きましたね。

のめり込むように本を読んでいると、自分も独立できるかもしれない!と起業するイメージが湧いてきて「独立に向けて動いていこう」と奮い立ちました。

でも仕事を手放すのは勇気が必要で…。悩みに悩みまくって入社4年目でやっと退職を決めたんです。

Q6. 会社を辞めてからすぐ、
フリーランスになろうと思ったの?

製薬会社を退職後はまだ独立せず、転職することにしました。独立する前にベンチャー企業に入り、社長の近くでビジネスを学びたいと思っていたんです。

当時、転職するタイミングはとくに考えておらず、知り合いから転職サイトのWantedlyを教えてもらったのがきっかけで、ようやく動き出すことに。ただ、転職活動よりは情報収集をする気持ちのほうが強かったですね。

「こんな会社あるんだ、とりあえず応募してみようかな」「無料説明会か、オンラインだったら受けてみるか」「落ちても今の会社を続けながらゆっくり探そう」と気負いすぎず動いていました。

探しているなかで、社長と密に関われそうな少人数規模の会社とご縁があり、結果的に転職に至った感じです。

Q7. ベンチャー企業では
どんな仕事をしていたの?

転職先の業界は将来性のあるIT。事業としては、AIやブロックチェーンなど最先端ICT技術を駆使した自社サービスの展開やSES・SI事業をしていました。

僕は営業を中心に、SNS運用やイベント企画・運営などベンチャーらしくさまざまな業務を兼任。忙しくも新鮮な毎日を送っていました。

でも入社してわずか4ヶ月で退職することにしたんです。

Q8. どうして入社4ヶ月で
退職しようと思ったの?

実は当時ルームシェアしていた小学校からの友人に、一緒に仕事をしようとずっと誘われていて。友人とは小学生のころからサッカーで切磋琢磨してきた仲間で、当時から「将来一緒に仕事しような」とよく話していました。

人として尊敬できる、魅力を感じる仲間と頑張っていきたいという気持ちが強くなりました。

Q9. 会社を辞めるとき
怖くなかったの?

めちゃくちゃ怖かったですね。だって翌月の給料がゼロになるかもしれないじゃないですか(笑)。

一緒に仕事する仲間はいるし仕事がないわけではなかったけど、不安は強く感じていました。

仕事のチャンスを掴めたのは過去の自分がしてきた“give”

フリーランス_旅するフリーランス5

Q10. フリーランスになって
最初はどんな仕事をしていたの?

一緒に仕事しようと誘ってくれた友人のサポート業務や、その友人の紹介でInstagramのコンサルティングをしていました。

Q11. スタートから順風満帆に
見えるけど...

順風満帆…ではなかったですね(笑)。仕事があって忙しそうに見えるけど、不安な気持ちを抱えながら過ごしていました。

製薬会社で働いていたころの年収を超えないと、フリーランスになって挑戦している意味がない。最初のころは生活できるギリギリの報酬で仕事をしていたので、どんどん仕事を増やしていかなきゃと焦りを感じていました。

Q12. どうやってその
不安な状況から抜け出せたの?

無意識にいろいろな方へ“give(ギブ)”していたのかなと思います。

たとえ報酬が少なくても、仕事を依頼してくれた方のためにじっくり時間をかけて取り組む。応援したい方の講演会やセミナーにはお金をかけてでも参加する。

そんなふうにgiveしていると「ありがとう」と言ってもらえるし、仕事を任せてもらえるきっかけにもなったんです。

もうひとつ仕事を増やせた理由が、大学の先輩の“ある言葉”でした。

フリーランスになってから大学の先輩と会ったときに「自分のキャパシティの2〜3倍の仕事を受注して、キャパシティを広げたほうがいいよ」と話してくれて。

頼まれた仕事は自分に可能性があるものであって、そもそも無理な人にはお願いしない。だから依頼していただいた仕事は全部引き受ける覚悟が大切だと、先輩は教えてくれました。

たまたま先輩と会ったタイミングで仕事の連絡がいくつか来るようになったので、「全部やろう!」と覚悟を決めて、すべての仕事を引き受けましたね。

もし先輩の話を聞いていなかったら「全部はできないから、とりあえずこれだけでやっていこう」とチャンスを逃していたかもしれません。

今まで営業ゼロで仕事を獲得できたのは、give精神と先輩のおかげだと思っています。

フリーランス_旅するフリーランス6

Q13. フリーランスになってよかったことは?

数え切れないほどあります!とくによかったと思うのは、仕事もプライベートも好きなように予定を管理できるところですね。

勉強会の開催が平日であっても問題なく足を運べるし、旅行に行くときだって土日や混んでいる時期を避けられます。

僕はPCがあればどこでも仕事ができるので、旅行先が海外であっても仕事しながら観光を楽しめるんです。時間や場所にとらわれず生活できる点はめちゃくちゃ気に入っています。

Q14. フリーランスになって大変だったことは?

いつ仕事がなくなるかわからない不安が、つねにつきまとっていることです。これまでの仕事で、急に翌日から契約が打ち切られたこともあったので。

自分の主な収入源である仕事が突然なくなってしまったら「翌月からどうやって生活しよう…」「新しい仕事を見つけないと」と不安になります。

だから万が一のときに備えて収入の柱をいくつも作り、なおかつ自分の事業も持つにはどうすればいいのか日々考えていますね。

Q15. 今後は何をしていきたい?
どうなりたい?

理想としては社長秘書をメインに、コミュニティの運営やクライアントワークを行ない、さらに起業して自分の事業も進めて行く働き方です。

僕は将来、家族や子どもと過ごす時間をたくさん作りたいと思っています。その夢を実現するために、社長レベルのポジションを獲得できるようになりたいんです。

今はいろいろな仕事をして経験を積み、自分の会社を持つことが当面の目標ですね。

フリーランス_旅するフリーランス7

目指す人へのメッセージ

メッセージの画像

とにかくまずは「行動する」ことです。行動次第ですべてが変わります。

僕もたくさん行動してみたからこそ尊敬できる方たちと出会い、今の理想を持てるようになりました。

先輩や仲間に相談してみたり、イベントに誘われたら迷わず行ってみたりして、とにかく行動してみてください。

さらに僕は「辞めること」「始めること」「続けること」が大事だと考えています。

新しく何かを始めるときって、何かを犠牲にしなきゃいけない場合もあるじゃないですか。僕も自分を変えるために、悩みに悩んで製薬会社を辞める選択をしました。

「辞めること」はなかなか大変ですが、自分を変えるために何かを辞めて次に新しく何かを始めてみる。そして始めたことを継続していく最初は大変だと思いますが諦めずに続けていけば、幸せな人生が待っていると思うので一緒に頑張りましょう!

いかがだったでしょうか?

以上、ずっきーさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの人生が一歩でも前に進むような、お役に立てる記事になりますように。

ちょっと木陰で立ち話

はま
本記事ライター
はま

無意識でgiveをしていたずっきーさん…すごいですよね。無意識レベルであれば、giveを受け取っていたのは仕事に関わる人だけではないように思います。

Q.会社を辞めてすぐ、フリーランスになろうと思ったの?」で「一緒に仕事しよう」と声をかけ続けたサッカー仲間や、「Q.どうやってその不安な状況から抜け出せたの?」で「自分のキャパを広げろ」と助言をくれた大学の先輩。

ずっきーさんの背中を押した彼らもまた、かつてgiveされた人たちなのではないでしょうか。

giveすることは簡単ではないですが、周りの人を大切に思う日々の積み重ねが何より重要なんですね、きっと。

ちなみに、きみはどう思う?なにか気づいたことあった?

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    はま
    本記事ライター
    はま
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    書いてくれたんだね!さっすがー!!
    pigeon