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人材業界に出会い、転職し、退職へ
Q1. 新卒で入社した会社では
どんな仕事をしていたの?
リクルートの代理店営業として、コンビニや自動車工場など、いろんな企業に求人広告、タウンワークの出稿のご提案をしていました。25歳のときに部署を異動してからは、飲食チェーンや小売チェーンなどの大手企業を担当するように。
求人広告代理店に入社したのは、もともと人が好きなことに加え、たくさんの経営者とお会いしたかったからです。学生時代にコンパニオンのアルバイトをしていたことがあり、そのときに経営者と話す機会が多くありました。自分の知らない世界の話を聞くのがとても楽しくて、経営者と話せるような仕事がしたいと思うようになったんです。
実際に当時の仕事では、新卒のときから経営者と打ち合わせをすることも多く、いい経験をさせてもらいました。
Q2. どうして求人広告の
代理店を辞めたの?
1つはあまりに多忙だったからです。担当していた求人情報誌や求人サイトは、広告の掲載期間が1週間ごとなので、毎週状況が目まぐるしく変わります。いくつもの求人広告を提案しながらつねに数字を追っていたため、いつも目の前の仕事でいっぱいいっぱいの状態でした。
もう1つは、より介在価値を感じられる仕事がしたいと思ったからです。広告営業でできるのは、求人を探している人に向けて広告を出すところまで。でも、私はもっと人と深く向き合いたいと思ったんです。
そして、同じ人材業界の中でも一人ひとりに寄り添った提案をする転職エージェントへの転向を決意。転職活動はスムーズに進み、2週間ほどで転職が決まりました。
Q3. 転職してみてどうだった?
とても楽しかったです。転職は人生にダイレクトに影響を与えることもあります。そこに介在する仕事なのでもちろん簡単ではないのですが、間接的な求人広告とは異なり転職支援による変化が直接見えて、とてもやりがいを感じました。
3年半で約700人の転職希望者と話して、私はやっぱり人と話すことが好きなんだと思いましたね。
Q4. どうして転職エージェントを
辞めてしまったの?
仕事は楽しかったのですが、いろんな理由がありまして…。1つは、仕事で求められることと自分の気持ちが食い違い、ジレンマに陥っていたからです。転職希望者の悩みを解決したいと思っていたので、他社転職エージェントが紹介する企業への転職を勧めることもありました。
でも、転職エージェントでしていた仕事は営業なので、売上を上げることが求められます。当時の会社では、自分の担当企業に転職者が出ないと、いくらご登録者の悩みを解決しても評価はされないんですよね。目の前の人のためになることをしているはずなのに、どうしてこんなもどかしい気持ちにならないといけないんだろうと思っていました。
もう1つは、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけです。転職して収入が上がったので、コロナ禍の前は長期休暇のたびに大好きな海外旅行に行っていたんです。それが仕事を頑張るモチベーションにもなっていました。でも、コロナ禍で旅行に行けない生活が1年半ほど続いたときに「楽しみがないのに、なんで仕事を頑張っているんだっけ」と思うようになって。
さらに、コロナ禍によって求人業界が打撃を受けたことで担当替えや配置替えが行われ、仕事が忙しくなったんです。そうしたら、ふたをしていた感情が爆発してしまって。退職を決めました。
会社を辞め、ジョージアへ
Q5. 会社を辞めてから、
どう過ごしていたの?
当時はやりたいことがなくて、転職できなかったんです。 何かやりたいけど、やりたいことがないからどうしていいか分からなくて。考えつづけてやっと出てきたのが、「海外に住んでみたい!」という想いでした。
「海外に住むとしたらフリーランスになるべきだろうけど、まずは稼げるようにならないとな」「3年後くらいに海外に住めたらいいな」などと考えながら、ぼんやりと情報収集をしていたら、たまたまジョージアに行くきっかけがあったんです。
Q6. ジョージアに行く
きっかけは何だったの?
『ノマドニア』という、1ヶ月で10職種を体験する海外ワークショップとの出会いがきっかけでした。その開催国の中にジョージアがあったんです。「海外に行けるし、新しい仕事も見つかりそう。もう行ってしまおう!」と思って、申し込みました。
Q7. ジョージアに行ってからは
どんな活動をしていたの?
はじめはビジネスの勉強をして、自分のコーチングサービスを売るところから始めました。自分の事業を作っているときは、文化祭の準備をしている感覚ですごく楽しかったです!
転職エージェント時代に私が喜びを感じていた部分は、人の話を聞いて、これからどう行動するかを一緒に考えることでした。対話によって人の目標達成を助けるコーチングも似ている部分があると思い、、これを仕事にできたら自分も相手もハッピーになれると考えたんです。
コーチングサービスを売りはじめたところ、なんと1ヶ月で2件も売れて。転職エージェントで700人の話を聞いてきた仕事は人の役に立てる経験なんだ、と成功体験ができて「これが仕事になるって最高かも!」と思いました。
Q8. 事業を始めることに
抵抗はなかったの?
それが全然なくて。当時、フリーランスの人はみんな起業していて、自分の事業で生計を立てていると勘違いしていたんです(笑)。だから、業務委託という選択肢はありませんでした。
また、海外に興味持ったきっかけでもあるんですが、9歳のときにできた友達が毎年家族で海外旅行に行っていました。その子のお父さんは企業の社長だったので、「社長になったらセレブになれて、いろんなことができる」と思ったんですよね(笑)。
だから、子どもの頃から「セレブになりたい」という憧れと「いつか自分で何かをやってみたい」という想いがありました。抵抗感なく事業を立ち上げられたのは、幼少期に感じたシンプルな想いがあったからです。
でも、フリーランスになって1年ほど経ったタイミングで、業務委託の仕事も始めることにしました。
Q9. どうして業務委託の
仕事を始めたの?
事業を始めることが王道ではないと知ったことも理由なのですが、自分の事業だけでは好きでやっていたことが稼ぐ手段になってしまうと思ったからです。
コーチングをしている中で自分が楽しめる範囲でやっていきたいと気づき、生活のために「コーチングを頑張って売らなきゃ」と必死になることに違和感を抱くようになりました。そのためコーチングは縮小し、業務委託の仕事を始めることにしました。
Q10. 業務委託の仕事の
獲得方法は?
Wantedlyでの応募です。海外生活を叶えるためにオンラインでできるという条件はもちろん、コミュニケーションスキルやこれまでの経験を活かせる仕事に定めて探しました。
獲得した仕事の1つめは企業の採用担当です。応募書類のチェックや面談は、転職エージェントでの経験を活かせると思いました。
2つめは、フリーランス向けオンラインコミュニティのコミュニティマネージャーです。知人にコーチングを活かせる仕事について相談したところ「コミュニティマネージャー」という職種を教わり、興味を持つように。
また、企業向けのSNS研修の講師にも挑戦しました。SNSに特別詳しくはなかったのですが、SNSを通じてコーチングを売っていた経験と、物事を簡潔に説明するのが好きなことを活かせると思ったからです。
採用担当とコミュニティマネージャーの仕事は現在も続けています。
海外ノマドを目指す人向けのコーチングをスタート
Q11. どうして再び自分の事業に
注力しはじめたの?
ステップアップや収入アップを考えたときに、やはり自分の事業をやりたいと思ったんです。クライアントワークよりも時間の自由度は高いし、海外ノマドとして業務委託の仕事をした経験から、以前よりもさらに自信を持ってできるだろうと。
また業務委託で数社と仕事をしいろんな人と接するなかで、だんだん自分がやっていきたいことが見えてきたので、 力試しの意味も込めて、海外ノマド向けのコーチングサービスを始めました。
フリーランス初期からのコーチング経験と、ジョージアでの海外ノマド経験を詰め込んだサービスを一から開発。転職エージェントや採用業務の経験から、企業がどんな人を求めているかはある程度分かったので、海外ノマドにおすすめの仕事やポートフォリオ作成、面談のコツを伝えられると思いました。
そして、海外ノマドがお仕事を獲得するためには、SNSの発信がキモになります。SNS研修の講師を経験したことで、お仕事に繋がる発信についても伝えられると思ったんです。
Q12. フリーランスとして
成長できたコツは?
行動しながら学び、学びながら行動する。インプットとアウトプットを同時並行を、ひたすら繰り返していました。
また、これまでの仕事はどれも「人と接する」点では共通していて、1つの仕事がレベルアップすると他の仕事にも波及し、効率良く成果に繋がったんです。
たとえば、採用の仕事で得た経験がコミュニティマネージャーや講師の仕事に活用できて、その逆もありました。計画してそうなったわけではありませんが、すべては繋がっていて経験に無駄はないなと。
あとは、自然と振り返りの時間を月に1回とっていました。その月にやったことを振り返ったうえで、来月の目標も立てるんです。すでにできることと新たにできるようになったことを掛け合わせて、新たに挑戦できそうなことを普段から考えていたのも良かったのかもしれません。
今とこれから
Q13. これまでを振り返ってみてどう?
良かったと思う行動は、30歳のときに退職を決断してジョージアに行ったことですね。とにかく海外に行きたい気持ちが強くて、 はじめはこんなに勢いで決めていいのかなと思っていました。本当は、お金を貯めたり月20万円稼げるようになったり、経済的な準備が整ってから海外に行くほうがいいんじゃないかって。
でも振り返ると、後戻りできない状況に自分を追い込んだからこそ、スピーディーに物事が進んだと思うんです。
一方で良くなかったと思うことは、すべて1人でこなしていたことです。自分だけではできないことを人にうまく頼っていたら、より早く理想の状態を叶えられていたんじゃないかと思います。これは今でも私の中の課題です(笑)。
Q14. 今後どんなことをしていきたい?
自分と関わった方が、ワクワクする未来に向かって頑張り続けられる場所を作りたいです。現在は海外ノマドになりたい人向けのコーチングを提供していますが、コーチングだけで不安を解消できるとは思っていなくて、あくまで応援手段の1つなんです。
コーチングが終わっても、その人の人生は続きます。コミュニティやオンラインサロンなど、形はまだぼんやりとしていますが、コーチング終了後も長期的にサポートできる仕組みを作りたいです。
でも、それだけでは満足できなくて(笑)。ノマド向けの仕事を生み出したいと思っています。ノマドワークができる仕事はあっても、意外と分かりやすく転がっているわけではないんです。これが「ノマドに憧れているけど、仕事が見つからないから踏み出せない……」と躊躇してしまう原因だと思っています。だからこそ仕事を生み出せたら、もっと気軽に一歩を踏み出せる人が増えるんじゃないかなと思っていて。
ノマドワークの幅が広がったら、人材不足で困っている企業の力にもなれると思うんです。人材業界で積んできた経験も活かして、最終的にはノマドで働く人と企業のマッチング事業で、社会に貢献できたらいいなと思っています。いつか自分で会社も立ち上げたいですね!
セレブになる夢があると話しましたが、今はお金持ちになる必要はなく、心が満たされてる状態だったらいいと思っています。私が仕事を作ることで、誰かが働けるようになったり、ノマド生活を実現できるようになったりしたら、 誰かも私もハッピーになれる。そんな仕組みを実現できたらいいですね。
目指す人へのメッセージ
会社員時代にずっと抱いていたモヤモヤが解消されたのは「何に不安や焦りを感じている?」と、真剣に向き合ったときでした。海外に住みたいと気づいたのも、まさにそのとき。
得体の知れない不安があるなら、まずはその正体に向き合ってみてほしいです。 経験がないことに、不安を感じるのは当たり前。でも、行動すれば道は開かれるので、ぜひそこに逃げずに向き合ってほしいなと思います。そうすると、楽しい人生が待っているはず。一緒に頑張りましょう!
いかがだったでしょうか?
以上、ゆりかさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの人生が一歩でも前に進むような、お役に立てる記事になりますように。