コーチングで大事なのは「心のパンツを脱げる関係を築く」こと。“プロコーチ”の仕事

コーチングで大事なのは「心のパンツを脱げる関係を築く」こと。“プロコーチ”の仕事

フリーランスのお仕事

フリーランスとは一概に言っても、働き方は十人十色。

Webデザイナー、ライター、エンジニアなどの職種のほかに、自らオリジナルの職業を作り出して活躍しているフリーランスもいます。

そして、同じ職種だとしても、じつはやっている仕事は一人ひとり違うのもまた事実。

今回お話を聞いたのは、大手人材コンサルを経てフリーランスのコーチに転身されたHiroさん。

自分のビジョンを達成する手段として、もともと選択肢になかったプロコーチの道を選んだHiroさんに、コーチになった経緯や仕事のリアル、コーチの目指す方法などについて聞いてみました。

旅するコーチ×インタビュアー

Hiro

Hiroさん

大学卒業後、大手人材紹介会社にて4年半勤務。人材コンサルに従事し、大阪、名古屋で二つの事業部の立ち上げを経験。退職後、世界一周をしながら各国で「人生インタビュー」を行う。新型コロナの影響で一時帰国し、コーチング講座を受講。現在はノマドフリーランスのプロコーチとして活動。
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お仕事詳細

フリーランス_コーチング2

Q1. コーチってどんな仕事?

「コーチング」はコミュニケーションスキルの1つで、行動を促すためのコミュニケーション方法です。これを用いて、クライアントが考える最高の自分自身になるために伴走をするのがコーチの仕事です。

コーチの仕事のなかで一番重要なのが、傾聴をすること。話を聞いたり、質問をすることで答えを引き出したり、自分が感じたことを第三者的視点で伝えたりすることで、やりたいことなどを明確にしていきます。

Q2. 今までコーチとして
どんな仕事をやってきたの?

コーチングの種類は多岐にわたります。1on1で行う「パーソナルコーチング」、7人1チームで数ヶ月で行う「グループコーチング」、2人以上の関係性に対してコーチングを行う「システムコーチング」などがあり、僕もこういったコーチングを提供しています。

また、コーチングを受ける目的も人それぞれ。大学生であれば就活のための自己理解や将来の方向性への悩みについて、若手社会人であれば転職や起業について、起業家であれば内省ややりたいことの明確化、感情の整理などがあります。

Q3. コーチの面白みややりがいとは?

コーチングを受けた人がイキイキと自分らしくやりたいことをやっているのを見たり、コーチングを受けた人とコーチとが伴走することによって、より深い関係性を継続的に築いていったりすることが面白いと感じます。

誰にも話せないけどコーチには話せるいわゆる「心のパンツを脱げる関係」がコーチングではとても大事です。責任の重い仕事ではありますが、その人の心の支えになるような深い関係性を築けることにやりがいがありますね。

Q4. 実際の報酬はどのくらい?

コーチングの報酬はピンキリです。ただ、仕事を始めたてのときに報酬をいきなり高くするのは難しかったため、僕もだんだんと高くしていきました。

たとえば、最初は1時間3000円で、学生も社会人も一律の報酬でコーチングを提供していました。それから報酬をあげていき、今は1時間1〜3万円で提供しています。ただ、起業家やフリーランス、学生など、相手によって報酬は変動します。

その仕事ができるようになるまで

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Q5. なぜコーチになろうと思ったの?

もともと自分のビジョンが「自分らしくワクワク生きる人を増やす」で、当時世界一周をしながら海外在住者にインタビューをしていました。

その方々からいろいろな選択肢や生き方などを聞き出して広めることで、若い子たちの将来の幅を広げ、自分らしくワクワク生きる人が増えるだろうと思い活動をしていました。

しかし、新型コロナの影響で渡航ができなくなったため、他の手段を考えたとき、コーチングであれば、その人が自分らしくやりたいことをやれるように伴走ができるのではのではないかと思い至り、コーチになろうと決めました。

Q6. どうやってコーチになったの?

僕の場合は、最初になぜコーチの仕事をやるのかをしっかりと明確にしたうえで、コーチングスクールなどで傾聴力や質問力などの基礎的なスキルを学び、集客をして、お客さんと契約を結ぶ、という流れでコーチの仕事を始めました。

コーチは国家資格ではないので、名乗るだけでプロコーチになれてしまいます。しかし、「Why=なぜやるのか」の前提を明確にしておかないとコーチの仕事を続けていくことが難しいし、固定のお客さんもつきにくいです。

 

また、コーチ自身が自己理解を深める必要もあります。スクールの受講者同士でコーチングをしあうことで内省ができ、自己理解が進むため、その点においてもスクールに行く価値はあると思います。

Q7. どうやって獲得しているの?

クライアントや友人からの紹介もありますが、メインの集客ツールはSNSで、なかでも7〜8割がInstagramです。ストーリーを用いてコーチングを受けたい人を募集したり、僕がコーチングでできることを発信したりして、興味をもってくれた方と直接ダイレクトメッセージで連絡を取ります。

認知が広まるほど、自分から営業する割合は減りますね。他のコーチはプラットフォームに登録して集客をしている方も多いのかと思いますが、僕はあまり活用していません。

その仕事を目指す人へ

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Q8. コーチを目指すなら
まずは何をしたらいい?

大前提として、なぜコーチを目指しているかがある程度明確になっている人であれば、コーチングスクールに通うことをオススメします。個人的にはZaPASS(ザッパス)が好きですが、人によって相性もあるので、情報を集めたうえで自分に合うスクールを選んでみてください。

スクールに通うことで本当に自分がコーチになりたいのかという点についても深く内省できるはず。そこで本当にコーチになりたいと思うのであれば、スキルを磨きながら紹介やSNS、プラットフォームを利用して集客をしていく、という流れになります。

Q9. コーチングに必要なスキルは?

スキルはもちろん大事ですが、「Why=なぜコーチングをやるのか」を明確にすることもとても重要です。そのうえで、相手のことを引き出す質問力や傾聴力、フィードバック力などのスキルが必要になってきます。

僕の場合は、もともと人材コンサルの仕事をしていたので、傾聴力や、話の深掘り力は普通の人よりあったと思います。さらにスクールに通うことで、よりコーチング的なコミュニケーションスキルを追加で学びました。

Q10. どんな本、
どんなサイトがオススメ?

入門書でいうと『コーチングの基本』」、『コーチングのすべて – その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで』、『コーチング・バイブルー人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション』、『コーチング心理学概論』など。

もっと深く学ぶなら、自分はどういう人間なのかを知るための『ザ・メンタルモデルー痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』も良著です。

また、コーチングはさまざまな心理学のもとで成り立っているので、「ユング心理学」や「アドラー心理学」、「トランスパーソナル心理学」、「ポジティブ心理学」などの勉強をするのも。いろんな本を読んで学ぶのがオススメです。

メッセージ

メッセージの画像

「Why=なぜコーチングをやるのか」が整っている前提で、その人自身がチャレンジしつづける、あるいはなりたい自分に向かって走っている状態が大事だと思います。

クライアントがコーチを選ぶ観点は十人十色ですが、私自身がコーチを選ぶ観点として、コーチが自分らしく生きていて面白いことをしているかどうかというのを大切なポイントとして置いています。だからこそ、コーチングを提供するコーチ自身も、かっこいい、面白い生き方を追求してほしい。

コーチングのスキルを伸ばすことだけにフォーカスするのではなくて、自分の人生や大切にしたい価値観を考えたうえで、いろいろとチャレンジしてみてください!

いかがだったでしょうか?
今回は、Hiroさんに「コーチング」というお仕事について聞いてみました!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?