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フリーランスになる前
Q1. フリーランスになる前は
どんな仕事をしていたの?
社会人1年目はぬいぐるみの営業をしていました。神奈川県鎌倉市にある観光客向けの通り「小町通り」で、雑貨屋さんにぬいぐるみや鞄を置かせてもらう営業の仕事です。やり取りがすべて紙で行われるアナログな会社だったので、もっとクリエイティブやデジタルなことをやりたいと思い、インターネット広告事業を展開する株式会社サイバーエージェントに転職しました。
サイバーエージェントでは、SNSに流れるバナー広告や、動画広告のクリエイティブディレクションをしていました。その後、社内転職で『新R25』というWebメディアの編集部へ異動。編集もライターもやったことがなかったので、当時書いていたブログをポートフォリオにして面接を受けましたね(笑)。
最初は先輩に着いて取材同行をさせていただき、取材のいろはを学びました。メインの仕事は企画・取材・執筆・入稿で、外部ライターさんに書いてもらった記事を編集したり、SNS運用もしたりしていました。
Q2. どうしてフリーランスに
興味を持ったの?
クリエイティブディレクションをしていたころ、忙しすぎて家と会社の往復しかしておらず、新しい出会いもなく仕事しかしていない、そんな生活に疑問を持ちました。そこでサードプレイスを作りたいと思い、『新R25』に異動すると同時に日本最大級の朝活コミュニティ『朝渋』に入りました。
そのコミュニティでは、今まで関わったことのない人に出会うことが多かったです。たとえば、パイロットや公務員、フリーランスの方がいました。それまで知り合いのフリーランスがいなかったので、彼らがどんな生き方をしてるのか知りませんでした。
しかし、実際に話を聴いて未知なる世界に触れることで「こんなことをやってるんだ」と新しい生き方を知り、具体的にフリーランスのイメージがついたことで興味を持ちました。
フリーランスになるために
Q3. どうしてフリーライターに
なろうと決めたの?
もともとやってみたいことがたくさんあって(笑)。学生時代は声優になるのが夢だったのですが、会社員時代は本業も副業もしていて忙しすぎて、夢を追いかける余裕がありませんでした。
それが、実際にライターとしてさまざまな成功している方に取材をし、お話を聞くなかで「やりたいことは迷わずやったほうがいい」というような言葉のシャワーを直接浴びて、「今からでも声優を目指せるんじゃないか!?」と思うようになっていったんです。
当時は1年とはいえ、ライターとしての基盤や人間関係が安定してきていたころだったので、思い切って独立してフリーランスになることを決めました。
Q4. どのようにフリーランスで
活動していこうと思ったの?
もともといつかは独立したいと思っていたこと、かつ安定志向だったので、水面下である程度時間をかけて基盤は作っていたんです。
『新R25』に入ったときは自分の好きなことが仕事になった瞬間だったので、「この会社で長く働くのかな」と思っていましたが、同時並行でいつでも独立できるような準備はしていました。未来のことは何もわからないので、個人として生きる術はつねに持っておきたいとも思っていました。
サードプレイスである外部コミュニティに入ったのも、社外でも活躍できる場がほしかったからですね。
ライターは記事を拡散するのも仕事の1つなので、Twitterの発信を特に頑張っていたのですが、それが結果的に副業や独立後の種まきになりました。当時はSNSを全くしておらず、フォロワーもゼロで、イチからやるのは大変でした(笑)。
Q5. フリーランスで苦労したこと、なるまでのステップは?
フリーランスになる前の準備段階での、本業と副業の両立がキツかったです。具体的な4つのステップをお話しますね!
Step1
自分がフリーランスになった際、どのジャンルでやっていくかを決めて、そのためにどのスキルを伸ばせばいいのかを考えます。
私の場合、はじめから独立するならライターだと決めていたので、当時の本業でもある「取材と執筆」を大量にこなしていました。
ベーススキルが微妙だと、「仕事を頼みたくないな」と思うので、会社員のうちにしっかりスキルを上げておくことをおすすめします。
社内で学べないようなスキルなら、朝や休日の時間を使って勉強をするのもオススメです。私は休日も執筆をしていました。
Step2
種まきをしていきます。私は、ライターに親和性があるTwitterとnoteを毎日更新していました。
人脈を作るために、外部コミュニティにも入っていました。最近はオンラインコミュニティがたくさんあります。なかには怪しいものもあるので、きちんと正しいものを自分で見極めて、スキルが活かせたり、仕事がもらえたりしそうなところに入っていました!
Step3
あとはとにかく本業と副業をこなしまくることです! 当時は土日も仕事をしていたので遊ぶ暇もなく、10円ハゲができるほど大変でした(笑)。
本業の定時が10時から19時だったため、前後の7時半から10時までと、21時以降は副業でとにかく執筆していました。
頭皮には負荷がかかりましたが、精神的には「今頑張れば安心して独立できる!」と思えてラクだったので、私のように安定志向なら、こんなふうに独立した方がいいです(笑)。
Step4
クライアントからの継続案件を複数確保していくこと。仕事をこなしていると、おかわりをもらうことができます。
たとえば、『新R25』は前職のころからフリーになった今でも継続で仕事をしていて、長い付き合いのあるクライアントになりました。勤め先の仕事をそのまま持ってくるのは、フリーランスならではの手法かもしれないです。
Q6. 退職の決め手は
なんだったの?
ある程度継続的な収入が得られると感じたことと、あとは10円ハゲ…ですかね…(笑)。最初自分では気づかなくて、美容院で「ハゲができてるよ!」と言われたのがきっかけです。「心身」の「心」は鈍感な一方で、身体は明確に示してくれたので、いよいよ末期だな、この生活に無理がきたな、と思って退職しました。
退職の時期を「ステップ5」にするなら、「キャパを完全に超えたとき」ですかね。副業の収入が本業と並んだり、越えたりしたら辞めどきだと思います。
フリーランスになってみて
Q7. はじめは仕事をどうやって
獲得していたの?
安定志向なので(笑)、会社員時代に複数の収入源を獲得していました。最初は前職やコミュニティ、SNSからの仕事が多かったです。人脈はSNSで作っていました。今でこそ知らない広告代理店から仕事を頂くこともありますが、最初はゼロからのスタートです。
SNS運用はみなさん騙されたと思ってやってほしいです! 大事なのは、「自分がほしい仕事に合わせた発信」です。当時私はTwitterで、ライターや編集者向けに書いた記事を投稿していました。発信するだけでなく、関係者をフォローして絡むのも大事です。SNSは誰かと繋がって初めて価値が生まれるツールなので…。また、フォローバックが来たら見られている意識もできます。仲間はもちろん、仕事を発注してくれそうな人は必ずフォローしておくべきです!
Q8. 具体的にどんな発信をして
仕事を増やしたの?
駆け出しライターは日々学ぶことしかありません。先輩の取材同行で学んだことや、記事の修正事項、失敗体験をベースにしたお役立ち情報をツイートしていました。
知識だけではなく、自分の思いやパーソナルな部分を発信しないと、ファンにはなってもらえません。有益性に頼った発信を続けると、メリットやデメリットでしかその人を捉えられなくなるので、自分のキャラを見せていくイメージです。私は、休日の過ごし方や、日々考えているどうでもいいことや、取材のこぼれ話のような個人的な感想を発信していました。
相手が仕事を頼みたくなるかどうかは、最終的には人柄にかかっていると思うので、内面を見せるのは大切です。
Q9. フリーランスになってみて
良かったことは?
思い切った自己投資をすることで、やりたいことがやれるようになったことです。もともと声優をやりたくて退職したので、時間とお金を自由に使って専門学校に行きました。短期間で結果を出したかったため、専門学校、養成所、個別レッスンのトリプルスクール通いをするなど、気合を入れて学びました。
まだまだ駆け出しですが、少しずつ吹き替えのお仕事にも挑戦させていただけるようになり、「とりあえず動けば夢は叶うんだなぁ」と実感しています。
Q10. フリーランスになってから
大変だったことは?
特に最初の3ヶ月が大変でした。駆け出しフリーランスが陥る資金不足にはなりませんでしたが、得体の知れない不安が喉あたりに突っかかっていて。会社員時代は、組織に所属している安心感がありましたが、いきなり個人商店になったので、胸にぽっかりと穴があいた感覚になっていたのかもしれません。
でも、周囲のフリーランスの方に聞いてみたら、その不安は3ヶ月くらいはずっと続くと言われて、気付いたらどうでもよくなってました(笑)。究極的に、「会社員に戻ればいいか!」という思考になりましたね。
ちなみに、単発案件ではなく業務委託をすることで毎月決まった金額を受け取る働き方もできることがわかったので、フリーランスはフリーランスなりの安心材料を増やしていくのもいいと思います。
フリーランスになった今
Q11. 現在の具体的な
仕事内容は?
独立当初は取材をして書くことが多かったですが、現在は自分の連載コラムを書いたり、本を書いたりと、「書き仕事」もあれば、セミナーやイベントの内容を絵と文字で可視化するグラフィックレコーディングやナレーションの仕事もあります。
「マルチ・ポテンシャライト=いろんなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人」という言葉があるのですが、私はまさにこれだと思っていて。好奇心旺盛だから、縛られずにいろいろやりたいんです。
割合は書き仕事が多いので「ライター」と名乗っていますが、どちらかというと「コンテンツ作りのお手伝いをする人」に近いと感じています。いろいろできるのもフリーランスならでは!
Q12. 仕事がある1日の
スケジュールはどんな感じ?
このメディアの中で一番ハチャメチャな自信があります(笑)。カオスな毎日を送っているのでスケジュールは決まってないですね。
強いて忙しい1日のスケジュールを言うなら、朝は得意ではないので10時起床。メールチェックや細かいタスクをします。午後は取材や打ち合わせ、構成作りなど。取材後にボイストレーニングに行くこともあり、プライベートと仕事がごちゃまぜです。
移動中はSNSを更新したり、noteを書いたりと、種まきタイムにしています。帰宅後はご飯とお風呂を済ませ、22時から原稿を書き始めて1時に終了。最後にマンガを読んで2時に寝ます。
自己管理ができてないように見えますが、私はある程度仕事と遊びを混ぜたほうが集中できるので…(笑)。
フリーランスが管理すべきなのは、「お金・仕事・体調」の3つで、あとはメンタルをやられなければ何でもいいと思います!
Q13. 今後フリーランスとして
何をしていきたい?
好奇心旺盛とはいえ、唯一「書くこと」は数年やっても飽きてないので、今後書く内容は変わるかもしれませんが、書きつづけることに変わりはないと思います。エッセイやコラムなど、自分の言葉で書く仕事を増やしたいですね。
あとは広報に興味があります。広報はプレスリリースを書いたり、社員のインタビュー記事を書いたりするので、ライターとすごく親和性が高いなと。他に必要なスキルを身につければ、広報になるのも夢じゃないかもって(笑)。何より、広めたいと思った素敵なものを発信できるお手伝いをできるのが魅力的ですね。
もちろん、声優の仕事もさらに頑張りたいです。
目指す人へのメッセージ
フリーランスってそもそも目指すものなのか? と思います(笑)。どちらかと言うと「フリーランスの先にあるもの」を目指しているのではないかと。
私は声優という夢を叶えたかったのと、自分のライフスタイルを変えたくてフリーランスになりました。だから、結果的にはフリーランスになったけど、先にあるものが何なのかをはっきりさせるべきだと思います。
たとえば、旅をしながら暮らしたいなら取材ライターは向いてないですよね。取材で現地に赴く必要があるので、どこでも働けるわけではないですから。むしろ、すべてオンライン完結できる仕事を選ぶべき、というように、目指したいものに対して必要なスキルも変わってきます。
安定志向なら、お試しフリーランスで会社員と副業をやって、雰囲気を味わうのもおすすめです。そこで「できるかも」と思ったら、一歩踏み出してみるのもアリかもしれません。やりたいことをきちんと言語化してから、職種選びとスキル磨きをしてみてください!
いかがだったでしょうか?
以上、ライター・コラムニストのゆぴさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?