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フリーランスになる前
Q1. フリーランスになる前は
どんな仕事をしていたの?
国内外のホテルや飲食店、商業施設の企画・設計・運営を一貫して行う「まちづくり」の会社、UDS株式会社で働いていました。
新卒から2年間、広報を経験しました。2年目からは新規事業として旅行会社の立ち上げや企画も行っていました。
広報になったきっかけは、大学生のときに書いていたブログです。新卒が経営企画部に配属されるのは異例でしたが、会社の人にはすでにブログの存在を知られていたので、「広報、いけるんじゃないの?」と言われて(笑)。新卒でいきなり広報、というスタートでした。
企業の広報として、プレスリリースを書いたり、取材対応をしたりすることもあれば、社内広報としてコーポレートサイトの運用をしたり、メールマガジンの配信をしたりと、広報にまつわることをまんべんなく経験させていただきました。
Q2. どうしてフリーランスに
興味を持ったの?
もともと大学生のときにインターンをしたり、いろんな人に出会ったりして、フリーランスという働き方は知っていました。でも、一度は会社に属してスキルを磨きたいと考えていて。
社会に出てから最初の2年間は、右も左もわからないうえに、兼任で新規事業の立ち上げもしていたので、めちゃくちゃめまぐるしく働いていていました。
でも、2年経ってから改めて自分の暮らしを振り返ってみると、つねに仕事に追われていることに気付いたんです。
たとえば、お昼はコンビニで済ませて30分も休まないし、帰ってからも何が食べたいのかよくわからなくて、アイスだけで済ませることもありました。
「まちづくり」って、暮らしている人とその人たちの生活がより良くなるように提案をするようなお仕事なんですけど、「私、全然自分の暮らしを考えられてないな」って思って…(笑)。
そこで、私が本当に好きなものは何かを改めて考えたとき、もともと学生時代に留学をしていて海外が好きだったことから、海外に身をおきたいと思い始めるようになりました。
また、当時の会社の制度を利用して2週間ほど、ヨーロッパに1人旅をしたんです。すると、本当にいろんな友だちができて刺激を受け、海外に行きたい気持ちがより強くなりました。
会社にいると、「思い立ったら海外にすぐ行けるような状態」を正直イメージできませんでした。
なので、失敗するかもしれないけど、スキルを持って稼ぎながら、海外で暮らす未来に近づける努力をしたいなと思いました。
フリーランスになるために
Q3. フリーランスになるために
はじめたことは?
新卒で入った会社では、文章を書くことと、企画提案を中心にやっていたので、この2つが強みになると思いました。
あとは、ヨーロッパへ行ってから半年後に会社を辞めようと思い、その間に自分が持っているスキルを見直しました。
実際にフリーランスの先輩に会い、「私、こんなことやってるんですけど、どうしたら独立できそうですかね?」と聞いたこともあります。
その他には、本を読んだり、フリーランスのブログを見たりして、具体的なイメージ像を持つのを大切にしていました!
それと並行して、学生時代に書いていたブログを復活させて、自己発信もしていました。また、有給期間を使って、セブ島で開催された「海外フリーランス養成スクール」に参加しました。
2週間でコーディングや英語、フリーランスのマインドを勉強しながら、いろんな働き方を知り、どのように営業をかけるのか、どうしたら仕事が生み出せるかなどを学びました。
Q4. 退職のタイミングで
不安はなかったの?
ほぼありませんでした(笑)。
ギャップイヤーや留年もなく、大学を卒業してストレートで会社に入ったので、「自分の道を歩む」経験をしていませんでした。
自分で選んできてはいるものの、あくまで「社会のレール」に乗ったままで、挑戦はしていなかったな、と。
だから、失敗してもいいから、一度独立していろいろトライしたい気持ちがありました。不安よりは「失敗してもいいか!」というマインドが強かったです。
フリーランスになってみて
Q5. はじめは仕事をどうやって
獲得していたの?
もともと、会社を辞める前から独立のことをまわりに言っていたこともあり、仕事の相談はいただいていました。
でも、最初の1ヶ月は、フリーランスだけでやっていけるか不安だったので、「海外フリーランス養成スクール」のあと、半分フリーランスでライティングのお仕事を受けながら、半分リゾートバイトをするという生活をしていました。
その後、フリーランス中心の働き方に切り替えました。たとえば、友人が新しくコワーキングスペースを立ち上げる際のPR広報や、SNS運用にまつわるトークイベント、地域イベントでのゲスト登壇のお仕事もありましたね。
また、「海外フリーランス養成スクール」で行ったセブ島の語学学校では「独立するのでアンバサダーとして呼んでいただけませんか?」と自分から営業をかけたこともあります。
Q6. そこから仕事を増やしたコツは?
会社を辞めることをSNSに投稿すると、めっちゃいいねがつくんですよ(笑)。だから、私も退職エントリをすごく細かく書いたんです!
できることややりたいこと、会社で学んだことから辞めた理由まで。自分の強みを見せるために、ストレングスファインダーの結果も貼りました。
大した実績はないんですけど、改めてフリーランスとしての自己紹介と意気込みを書いたことで、周囲の人に印象づけが出来てお仕事に繋がりました。
あとは、ちょっとでも自分が関われると思ったらすぐ企画書を送ったり、会話のなかで提案したりしてましたね。結構ガツガツしてたかも(笑)。
Q7. フリーランスをしていたのに
なぜ今の会社にも入ったの?
当初は、海外に行く目標を叶えるため、ワーキングホリデーでオーストラリアに渡航してフリーランスをしていました。現地情報を発信したり、「ワーホリ×フリーランス」のコミュニティを作ったりしていました。
ただ、1年が経ってビザの期限が切れるころに、今後どうしようか迷いはじめました。
海外就職をするか、日本に戻ってスキルアップのために再就職をするか。いろんな選択肢がフラットにあったので、とにかくたくさん情報収集をしていました。
そんななか、タイミングよくタイムラインに流れてきたのが今の会社の求人でした。前職で旅の事業を失敗をしたこともあって、旅行業界に対して「旅を売る」のではなく、「旅を広める」文脈で、マーケティング支援で関われるのが魅力に感じました。
また、広報ではなくセールスのポジションを募集していたことにも興味を持ちました。フリーランスを1年間経験して、自分のことを伝えたり、サービスを買ってもらうアクションを起こすことはすごく大事だなと感じていたからです。
社員の方と面談をしているなかで、個性あるメンバーがいることや、フリーランスのスキルを活かしてパラレルキャリアもできそうな印象がありました。
当時はチームで働きたい思いが強かったこともあり、さまざまな人がいる環境で働いて、彼らから学びを吸収したいなと思い、入社しました。
Q8. パラレルキャリアで
よかったことは?
パラレルキャリアを歩むことで、本業にもフリーランスにもプラスになっているし、チャンスも2倍3倍に広がっていくのが良いことだなと思っていて。
フリーランスの不安要素は、クオリティの高いものをアウトプットしたいのに、他の人の意見を聞けないこと。チームメイトとアウトプットするものがないうえに、そのときのレベル感ではチーム全体を見ることがなかなかできなくて。
一方で、会社に所属していると心強いのが、社内のメンバーやパートナーさん、会社の意見を聞いて、クオリティに納得感のあるものがリリースできることでした。社内で成長して得たものが、フリーランスの仕事に活きるのがすごくいいです。
逆に本業に活かせるのは、フリーランスのネットワークが増え、その方々のアウトプットに目を通すことで、本業のディレクションをしたときにパートナーさんの気持ちがわかることです。「フリーランスの人はこう思うだろうからこんなふうにしよう」と想像力が働きます。
だから、外部パートナーさんとコミュニケーションがとりやすいし、結果的にいいものを作りやすいです。
フリーランスをしているおかげで、本業の旅行業界以外にもアンテナが張れます。視野が広がったり、ビジネスの掛け合わせができたりするのもポジティブだと思いますね。
Q9. フリーランス1本に
しようと思わないの?
独立することにこだわっていないので、やりたいことをできるのが自分にとって1番いいかなと。
フリーランスだと規模感のある仕事をするのが大変ですが、組織に属していると、大きな案件や興味のあるクライアントさんとも繋がれるので、すごく強みだなと思っています。
逆にフリーランスは、自分の趣味や好きなものから広げていけるので楽しい。そのバランス感がすごくいいなと思っています。
あと、私はひとりでビジョンやミッションを作るのが苦手なタイプなのですが、今の会社『TABIPPO』のビジョン「旅を広める」に共感をして仕事をしているので、フリーランスの仕事をしていても、すべてがそのビジョンに基づいて繋がっている感覚があります。
フリーランス1本だったときは、目の前の仕事に必死で売上しか見れなくなっていたので、ありがたいです。
だから、独立も視野には入れてるんですけど、今はこの働き方が好きです!
Q10. パラレルキャリアで
大変なことは?
納期がかぶりまくったときは大変ですね(笑)。パラレルキャリアを歩むうえで気をつけることは、責任感を持って多方面をケアしていくこと。同業他社とかぶらないようにするとか、本業のほうのクライアントさんとうまく線引きをしています。
会社員の認識をしっかり持ちながら、フリーランスのクライアントさんや会社員のクライアントさん、社内のメンバーに失礼がないように、ケアすることはたくさんありますね。
パラレルキャリアの方は、この線引きに悩むことが多いのではないでしょうか。私の場合、フリーランスの仕事は広報や企画のスキルに紐づくものにして、クライアントさんの窓口はブログやSNSからのみにしています。
でも逆に、私にご相談いただいたことが会社全体にプラスになると思ったら、繋げて還元するようにしていますね。
フリーランスになった今
Q11. 現在の具体的な
仕事内容は?
本業は旅行業界のセールスとマーケティングで、クライアントさんに向き合い、企画提案から実行のディレクションまで幅広くやってます。
フリーランスでは企画と広報がメインです。広報はPR戦略から入り、戦略策定をしてTODOに落ちてきたタイミングで、施策を実行に移します。
オウンドメディアの運営やSNS運用のディレクション、キャンペーン、開業の際のオープニングのディレクションなど、さまざまな業務があります。企画は、企画書作成から企画立案、マーケティング施策までやります。
Q12. 仕事がある1日の
スケジュールはどんな感じ?
休日も、まるまる休むことはあまりなくて、半日はフリーランスの仕事をすることが多いですね。稼働時間は多いですが、趣味を楽しむように仕事をしているので、セルフブラックのようなことはなく、気持ち的にゆとりがあります。
Q13. 今後フリーランスとして
何をしていきたい?
1年目は本業8割で、2年目はパラレルキャリアにも力を入れてきたので、3年目はチームを作ってサービスをリリースしたいと思っています。
フリーランスの広報って、他の職種と比べてあまり人数が多くなかったり、気軽に始めやすいものではないと思うんですよね。業界や会社側としては広報の人材がほしいけど不足していて、経験者しか求められない、という現状です。
だからこそ、ファーストステップが踏み出せないフリーランスや、パラレルキャリアの人のマッチングができるサービスを作りたいな、と。
今後も1年や半年単位で目標を置きつつ考えていきたいですが、5年、10年後は海外を拠点にしたいな。今はそこから逆算して、ある程度のスキルや、計画をイメージしているところです。
目指す人へのメッセージ
「見たい景色は自分で見に行ける」というすごく大切にしている考えを伝えたいです。
こんな絶景が見たいとか、こんな海辺で大切な人と過ごしたいとか、そういうざっくりしたイメージって、自分の人生と切り分けちゃって、憧れになりがちだと思うんです。
でも、過ごしたいイメージをもとに行動に移してブレイクダウンすれば、絶対実行できると思っていて。南国でまったりしたいのなら、ネットで調べて航空券を取ったら明日にでも行けますからね。
だから、イメージを実行したときが本当のスタートライン。どんどん行動するのも大切だし、それを続けることがフリーランスを楽しむコツだと思っています。
私もつねに、「どんな人とどう仕事がしたいのか?」と妄想しながら、そこに向かっていくイメージでフリーランスをしています。
皆さんも、やりたいことや見たい景色があったらそれは叶うと信じて、ひとつずつ着実に歩んでいくと、絶対たどり着けるんじゃないかなと思っています。応援しています!
いかがだったでしょうか?
以上、フリーランス広報のあいさんの生き方・働き方のストーリーでした!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?