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お仕事詳細
Q1. 取材ライターってどんな仕事?
ライターにもさまざまな種類がありますが、Web上においては主にWebライター、取材ライター、そしてコラムニストの3種類があると感じています。
ほとんどのフリーランスの人が想像するのは、時間と場所にとらわれずに働ける「Webライター」。
企業が運営するオウンドメディアなどがいろんな人に読まれるよう、検索順位を上位にするお仕事です。
特定のルールに沿って情報を網羅するため、競合サイトのリサーチをしたり、キーワードを洗い出したりしながら書くので、情緒的な文章よりも、理路整然とした文章が求められます。
一方で私は、「取材ライター」をしています。基本的には、誰に何をインタビューするのかを企画し、企画が通ったらその人にアポを取って質問項目を考え、取材をしたら書き起こして原稿にする、というのが一連の仕事の流れです。
取材内容をそのまま記事にするのではなく、その人に憑依して言葉を整えたり、媒介となって物事を伝えるようなお仕事です。書くだけではなく、取材時点でも相手の思いや人柄をどううまく引き出せるかが大切ですね。
そして、「コラムニスト」は、特定の事象や人について批評したり、語ったりします。その人個人の見解が大きく求められるので、自由度も難易度も高い仕事ですね。
Q2. 今まで取材ライターで
どんなことをやってきたの?
主に芸能人や専門家のかたに取材をさせていただいています。芸能人だと、元モーニング娘の加護亜依さんやりゅうちぇるさん、かつみ♡さゆりさんなど、私の好きな人に取材することが多く、私利私欲にまみれた企画を立てています(笑)。
ほかには、自分が日々抱いている何気ない疑問から企画を立てることが多いですね。たとえば、時間学の先生には、「時間を延ばす方法」を聞きましたね。大人と子どもでは時間感覚が違うなと思ったので、どうしたら大人でも長く感じられるんだろうと気になって。
また、コラムニストとしては、私の業務委託先でもある日本最大級のフリーランスメディア『Workship MAGAZINE』で「健康で文化的なADHDフリーランスのお仕事ハック」の連載をさせていただいています。自身の経験をもとに、赤裸々なフリーランス事情を語っています。
(ポートフォリオサイト: https://www.foriio.com/milkprincess17)
Q3. 取材ライターの
面白みややりがいとは?
エンタメ精神がある人は、すごく楽しめる仕事だと思っています。
取材対象者に選ばれるようなかたは、一般的な人よりも、成功されていたり結果を出されていたりするので、話を聞いてるだけで面白いんですよ。
それに、取材中は基本的に一対一で私に向かって言葉を発してくれている。すごい人たちの言葉のシャワーを直接浴びられるのは尊いことだし、取材ライターにしか得られない特権だと思っています。
スペシャルな取材の時間を過ごしたあとは、「取材相手の魅力を余すことなく伝えるために、どう料理しよう?」と考えるのがワクワクします。
Q4. 実際の報酬はどのくらい?
駆け出しのころは、1記事約8,000円でイベントレポートを書いていました。今は1本2万円~3万円ほどの案件が多いです。PRも絡んでくると、5〜10万円になることもあります。
ライターの市場相場ってなぜか低いんですよね…(笑)。
文字は国語を習っていればある程度書けるので、詳しく仕事内容を知らない人からすれば、簡単な作業だと思われがちなのかもしれません。
あと、Webメディアは基本的にお金がないこともあるので、予算が限られているんですよね。クライアントの規模によっても金額は変わると思います。
その仕事ができるようになるまで
Q5. なぜ取材ライターを選んだの?
自分に向いていると思った…というよりは、「苦痛じゃないから」です。中学生のときからブログを書いていたこともあって、喋るより書くほうが得意なんです。
自分にとっては仕事じゃなくても自然とやっていたことだし、飽きないだろうなと思ってライターを選びました。
あと、「Webライター」ではなく「取材ライター」を選んだのは、自分の感情を大切にできるから。
書き手の感情はさておき、とにかく情報を漏らさずに正確に書くことに重きを置く「Webライター」は、あまり好きな仕事ではないと感じています。
Q6. 取材ライターならではだと感じる
仕事の獲得方法を教えて!
無償で取材してポートフォリオを作ることができるのは、取材ライターならではです。
そして、SNSなどで「書きました!」と記事を公開することや、日々呟いたりすることでも、その人の文章力やセンスがわかるので、ポートフォリオにすることができます。
「仕事が仕事を呼ぶ」。とにかく書いたものすべてが営業ツールにできるのがメリットかな。取材記事は記名のものが多いので、SNSをやっていなくても記事自体から仕事につながることがあります。
ただ、Webメディアはいかに記事を拡散できるかが鍵となるので、ある程度発信力のあるライターは重宝される印象ですね。
その仕事を目指す人へ
Q7. 取材ライターを目指すなら
まずは何をしたらいい?
デザイナーやエンジニアはゼロからの勉強が必要だけど、日本人には素地として「国語力」があるから、ライターとして仕事を受注するのにあまり時間はがかかりません。
ただ、極めるのは難しいお仕事だと思うので、根気よく書きつづけることが大切です。
Step1
最初は書くことも人に見せることも恥ずかしいと思うので、ブログやnoteを自分のために書くこと。書くことって筋トレと似ていて、ある程度したら自然とうまくなります。
もしネタがないのなら、好きなアニメのことや本の感想文を書くなど、何かコンテンツを利用すればいいと思います。
焦って仕事に繋げることを考えなくていいので、まずは趣味のような感覚でとにかく量をこなしてください。
Step2
自分のために文章を書きながら、商業として文章を書くための準備を並行して行っていきます。
ライティングの基礎知識は本を読めばある程度網羅することができるので、何冊か読んで頭に叩き込むこと。あとは実践あるのみです。
具体的には、企画を立てて、誰かに取材を打診します。特に掲載先がないのなら、個人のブログやnoteに載せるもので構いません。まずは「無償でいい」ぐらいの気持ちで実績を作ること。
特に、「SNSである程度有名だけど、会えそうな人」に取材をすることで、その人が拡散してくれたり、仕事を依頼してくれたりすることもあります。
Step3
いくつか無償で取材をして、見せられるようなものができたら、それをもとにメディアに営業をかけて有償の仕事へと繋げていきます。
ただ、自分で自分の文章を客観的に評価するのは難しいので、頼れる編集者やライターに出会うこともすごく大切です。
赤入れをしてもらうことで自分に足りないものや癖が見えてくるので、師範となる人を見つけること。練習のために取材記事を写経するのもオススメ。
Q8. 取材ライターに必要なスキルは?
まず、「傾聴力」が必要だと思います。取材中は相手の話をよく聞いて理解し、言葉に詰まっていたら、時には助け船を出すこともあります。
「ファシリテーションスキル」の一つかもしれないけど、1時間以内という時間制限があるのなら、タイムキープしつつ収めることも大切です。
「書く」ことに関していうと、基本的な「国語力」があれば誰でも書けるとは思います。ただ、商業としてやるのなら、もう少し細かい話になってきます。
たとえば、漢字とひらがなどちらで表記するのかや、誤字脱字のチェックなど「執筆表記ルール」に沿って見る力、取材した相手のことを想像して、記事に起こすとき口癖や相槌のニュアンスを取り入れる力、全体のリズム感を考えながら調整する力…。
いずれも読み書きの量をこなすことで養われていく力だと思いますね。
Q9. どんな本、どんなサイトがおすすめ?
古賀史健さんの『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は、「書くことに文才は必要なのか?」という問いから始まり、ライターに必要なマインドセットのお話から実践に至ることまでが書かれているので、入門編としてぜひ読んでみてください。
また、同じく『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』は取材ライターになるなら必ず読んでおきたい1冊ですね。
文章力に自信のない人は、唐木元さんの『新しい文章力の教室 苦手を得意に変える ナタリー式トレーニング』を中心に、文章や国語の基礎についてのおさらいを。
SEOもできる取材ライターを目指すなら、SEOの基礎知識が網羅されている「沈黙のWebライティング」がオススメです。
メッセージ
みなさん、書くことは好きでしょうか?
おそらく、「書くのが好きだから」「すぐに稼げそうだから」という理由でライターになる人が多いと思いますが、実際にやってみると、「好き」だけではできないことがわかります。
自分が書きたい文章と、クライアントが求める文章は違うので、最初はそのギャップに苦しんで、書くことが嫌いになるかもしれません。
だからこそ、「自分のために文章を書くこと」と「クライアントワーク」の両方を継続して行ってほしいです。どうか書くことを嫌いにならず、楽しんで!
書くことを楽しむことを忘れかけたのなら、『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』という本もあるので(笑)。ぜひお手にとってみてください!
いかがだったでしょうか?
今回は、ゆぴさんに「ライター」というお仕事について聞いてみました!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?