商品や人の“想い”を紐解き、伝える。正しく寄り添い、世の中に届ける広報の仕事

商品や人の“想い”を紐解き、伝える。正しく寄り添い、世の中に届ける広報の仕事

フリーランスのお仕事

広報の仕事といえば、みなさんは何を想像しますか?

SNSなどを通じて「世の中に埋もれているものを広める」とざっくり捉えられがちですが、実は仕事相手によって業務内容はさまざま。

今回お話を聞いたのは広報・ブランディングパートナーのにしちかさん
にしちかさんが会社員、フリーランスとして広報をするなかで見つけた、多彩な「広報の仕事」の魅力に迫ります。

広報・ブランディングパートナー

にしちか

にしちかさん

「自分と社会のごきげんを最大化すること」を軸に、広報・ブランディング支援を行なう。現在は週4正社員+週1フリーランスで活動。暮らしを最優先にする生き方を日々模索中。
2021年夏に湘南・大磯へ移住。ふうふで互いの得意を持ち寄り、共感できるヒト・モノ・コトに還元する「ふうふユニット」活動をスタート。期間限定の食堂営業や、ブランディングムービーの制作などを行なっている。キャンプ・サウナ・夫の料理が好き。
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お仕事詳細

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Q1. 現在のお仕事を具体的に教えて!

プロダクトやサービスを世の中に届けるうえで課題を感じられている方には、発信をよりわかりやすく伝えるための広報戦略全体を一緒に練り、誰に・何を・どのように届けたいのかを明確にして、発信の計画を立てています。

広報以外では、キャリアスクール『SHElikes』のブランディングコースの添削や、自分の人生を見つめ直して価値観を言語化する『ライフログスクール』のコミュニティマネージャー、食と農のブランディングカンパニー『TUMMY株式会社』のメディアやSNS企画などを担当しています。

Q2. 広報ってどんな仕事?

広報は「信頼関係をつくっていく仕事」だと思っています。信頼関係をつくる相手はメディアやお客さま、従業員など、状況によってさまざまです。

たとえば、転職エージェント事業の広報サポートでは、転職をしたいお客さまに対して、どうしたら数あるエージェントの中から見つけ出してもらえて、相談したくなるかを紐解いて言語化しました。それを踏まえて、一貫したメッセージをつくっていくのが仕事です。

会社が従業員と信頼関係を築くことを目的にしたプロジェクトでは、チームのみんなが同じ方向を向いてがんばれるように、行動指針の言語化をサポート。

実際に働いている社員の方々にヒアリングをし、そこから見える共通キーワードを紐解きながら、これからのありたい姿や達成方法をディスカッションし、言葉づくりをしました。

Q3. 今までその仕事で
どんなことをやってきたの?

前職はリゾート業界で働いていて、ホテルのブランド認知向上のために、メディアとの信頼関係を築いていました。

フリーランスになった直後の仕事は、ホテルでの経験を活かしたメディア向け発信の広報です。ドローンショーのPRや、ホテル立ち上げに関する広報活動としてプレスリリースの執筆、ホームページ設計、取材の対応など、さまざまな業務をしてきました。

でも最近は、自分のやりたいこととスキルを見つめ直して、社内向けの広報活動の比重が多いですね。社員がもっと自分の会社を好きになり、より幸せに働けるための施策づくりなどを行なっています。

Q4. 実際の報酬はどのくらい?

週2、3日ペースで働いて、1ヶ月で15万円〜20万円ほどが平均です。活動内容は企業の広報課題によってさまざまです。

Q5. 広報の面白みややりがいとは?

良いものが正しく世の中に届いていく橋渡しをできるのが面白いです。私は「すごく良いものが、世の中に埋もれているのがもったいない」という気持ちが強くて(笑)。

「私の推しを見て!」「良い商品を作っている人がいるから知って!」という想いをのせて仕事をできるのが、やりがいですね。

Q6. 広報の大変なことは?

連絡をマメにするなどの「地道さ」です。即レスを求められる場面や、途方もないほど細かなコミュニケーションを繰り返す必要があることも。

一朝一夕で良さや魅力を知ってもらうことは難しいので、少しずつ積み重ねていくのが広報にとっては大事なことです。

その仕事ができるようになるまで

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Q7. なぜ広報を選んだの?

1番の理由は、会社員時代から広報の仕事をしていてスキルがあったからです。

でもはじめは、広報の仕事は企業に専属しないといけないと思い込んでいました。場所にとらわれずに働きたかった私は、広報が選択肢に入れられないと思っていて…。

そこで、Webスキルを身に着けるためにキャリアスクール『SHElikes』に入りました。でも、いろいろな働き方を知るうちに「広報でもリモートワークはできるんだ」と気づいて。自分がもともと持っているスキルを活かせるなら、広報でフリーランスになろうと思ったのがスタートです。

Q8. どうやって仕事を獲得するの?

Twitterでの発信がお仕事に繋がりました。

でも、ただツイートするのではなくて、自分の「こんなことが好き」「こんな価値観があります」を伝えることで、本当に欲しい仕事がもらえると思っています。

私が届けたいのは「本当に良い」と思うもので、何でもいいわけではないんです。だから、自分を発信するのは遠回りのように見えて、やりたい仕事へのいちばんの近道なのかなと。

また、自分のできることや価値観をまとめたWebサイト『Fiitos』を作ったことで、より自分の想いが伝わるようになったと思います。

その仕事を目指す人へ

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Q9. どうやったら広報として
働けるか教えて!

まずは「これを世の中に届けたい!」という気持ちが強い人は、広報に向いていると思います。そのうえで広報は言葉で届けることが多いので、「言葉を磨く」のが大事です。

最近は一過性の話題をつくる広報より、企業やサービスの真の価値を伝えられる広報が重要視されています。魅力を世の中に届けるために、想いを紐解く力や、大事な要素をキーワードに落としてわかりやすく伝える編集力が必要です。相手の想いを引き出すためのヒアリングスキルも大事ですね。

編集力を身に着けるためにオススメなのがTwitter。自分の意見を140字で納めるために、何を削ぎ落して残すのかを考える要素の抽出が必要になるので、編集力のトレーニングにぴったりです!

Q10. 広報をやるなら必須だと思う
ポイントは?

普段から世の中のメディアの発信につねにアンテナを張ることです。SNSだけではなく、新聞や雑誌、テレビからも情報収集は必須ですね。

また、こちらからの一方的な発信ではなく、時流に合わせたメッセージづくりを意識することも大切です。

Q11. どんな本、どんなサイトがおすすめ?

言葉を磨きたい人におすすめなのが、『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』です。たとえば、『「I love you」と言わずに「I love you」を伝えるならあなたはどう言いますか?』という問い。同じ内容を伝えるとしても、バックグラウンドがにじんだり、その人らしさがあったりと、千差万別です。

このように、すぐに実践したくなることが多く載っています。背景にある想いや、ストーリーを汲み取った言葉づくりに活かす事例が満載でオススメです!

また、社内広報に興味がある方に読んでほしい本が、『チームが自然に生まれ変わる 「らしさ」を極めるリーダーシップ』です。「その人らしさ」をどのように引き出して、どうチームの活力にするのかが学べます。

認知科学のコーチングスクールを運営している方が著者なので、脳の仕組みなどにアプローチをしながら、理論的にわかりやすく書かれています。

メッセージ

メッセージの画像

広報として働いていたホテルでの前職を離れて、1年間フリーランス広報をしているなかで、広報の言葉の広さやイメージの多様さに悩んで、「広報は本当にやりたいことではないかも…」と思うこともありました。

でも、一度広報スキルを身に着けたら、幅広い活かし方があることに気づいたんです。誰に何を届けるかによって働き方は変わるので、いろいろなキャリアの積み方があるな、と。

だから、広報は「誰の力になりたいか」が明確になるとスキルが活きてきます。大好きなお店の魅力が伝わっていなくてもったいない、そう思ったとき、広報のスキルで大事な人を助けられるんです。

いかがだったでしょうか?
今回は、にしちかさんに「広報」というお仕事について聞いてみました!
あなたの今日もtoiroな1日にしませんか?

ちょっと木陰で立ち話

りほ
本記事ライター
りほ

広報の仕事は、雑誌編集者とすごく似ているなと思いました。「すごく良いものが世の中に埋もれているのがもったいない」、私もこの想いがあって出版社で働いています。

会社にもよりますが、編集の仕事はインタビューをして書くだけではなくて、企画や紙面のデザインを考えたり、カメラマンやモデルの手配をしたり、印刷会社とやり取りをしたりと、幅広いんですよね。広報も相手の良さを引き出したり、1つの言葉に落とし込んだり。プレスリリースを書くこともあれば、取材対応もする。

職種は違えど「伝える」ために多くのヒトやモノと関わるのは、共通するものがあるのだなと思いました!

ちなみに、きみはどう思う?なにか気づいたことあった?

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    りほ
    本記事ライター
    りほ
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    pigeon